福知山盆地

福知山盆地

福知山盆地は、京都府北西部の丹波山地に位置する断層盆地です。東西約18km、南北2～5kmの細長い形状をしており、由良川の中流域にあります。

地理と形成

この盆地は、東西に走る断層によって形成された断層盆地であり、由良川が作り出した沖積平野や河岸段丘から成り立っています。約20～30万年前の氷期には、盆地全体が「福知山湖」と呼ばれる湖の底であったと考えられており、当時の貝殻の分布などからその名残を伺うことができます。由良川は盆地の東端から西へと流れ、土師川、和久川、牧川などの支流を集めて西端から盆地外へと流れ出ます。

盆地の周囲には、標高450m程度の山地と洪積台地が広がっており、東端には綾部市の市街地、西端には福知山市の市街地があります。由良川が盆地を出る箇所は狭く、河床勾配も緩やかなため、古くから洪水が頻発する地域でした。1924年には戸奈瀬ダム（由良川ダム）、1961年には大野ダムが建設され、洪水対策が講じられています。

歴史と産業

明治時代以降、養蚕業や製糸業が盛んになり、かつては河岸段丘に桑畑が広がっていました。しかし、現在では低地での稲作が中心となっています。また、内陸型工業団地が形成され、都市化も進んでいます。盆地の中央部をJR山陰本線が横断しており、東端の綾部市で舞鶴線が、西端の福知山市で福知山線が分岐するなど、交通の要衝にもなっています。

まとめ

福知山盆地は、豊かな自然と歴史、そして人々の生活が調和する場所です。過去には湖であったという歴史を持ち、現在では農業や工業が盛んに行われています。また、鉄道網が発達しているため、交通の便も良い地域です。洪水対策も進められており、安心して暮らせる環境が整えられています。

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