禽将棋

禽将棋：鳥たちが織りなす戦略の世界

禽将棋は、江戸時代に誕生したとされる、2人で行う奥深い戦略ゲームです。将棋の一種であり、7×7マスの盤上で、鳥の名前が付けられた6種類の駒を使って戦います。本将棋と同様に、取った駒を再利用できる点が特徴です。考案者については諸説ありますが、明確な史料は現存せず、謎に包まれた部分も魅力の一つとなっています。

駒の種類と配置

禽将棋には、鵬、鶴、雉、鶉、鷹、燕の6種類の駒が存在します。それぞれの駒は独特の動き方を持ち、戦略の幅を広げます。初期配置は、以下の様になります。（図は省略。テキストで説明）

鵬: 最も重要な駒。相手の鵬を詰めることが勝利条件です。
鶴: 強力な駒。
雉:
鶉:
鷹: 敵陣に入ると成る特殊能力を持つ。
燕: 敵陣に入ると成る特殊能力を持つ。縦の列に最大2枚までしか置けないという制約がある。

駒の配置は、自陣と敵陣が2段ずつあり、残りの3段が戦場となります。

ルールとゲームの流れ

基本的なルールは本将棋と類似していますが、禽将棋特有のルールも存在します。

1. 交互に駒を動かす: 競技者は交互に自分の駒を1つ動かすか、取った駒を盤上に置くことができます。
2. 駒の取り方: 自分の駒を動かして相手の駒のあるマスに移動すると、相手の駒を取ることができます。
3. 持ち駒の活用: 取った駒は持ち駒として、空いているマスに置くことができます。ただし、燕は敵陣の最終列には置くことができません。
4. 成駒: 鷹と燕は、敵陣に入るか、敵陣に打ち込まれた場合、強制的に成駒になります。
5. 禁じ手: 打ち燕詰めは禁じ手です（打ち歩詰めと同じ）。ただし、突き燕詰めは認められています。また、縦の列に燕を3枚以上置くことも禁じ手です。
6. 勝利条件: 相手の鵬を詰めて勝利します。入鵬（入玉に相当）による引き分けはありません。

駒の動き

各駒の動きは、本将棋とは異なります。それぞれの駒の動きは、以下のとおりです。（図は省略。テキストで説明）

鵬: (説明)
鶴: (説明)
雉: (説明)
鶉: (説明)
鷹: (説明)
燕: (説明)

歴史と発展

禽将棋の歴史は、はっきりとは分かっていません。『禽象戯図解』という文献に初めて登場しますが、考案者とされる大橋宗英に関する明確な史料は見つかっていません。当初は小将棋の変形と考えられていましたが、1920年頃からは和[[将棋]]を原型とするという説が主流となっています。

禽将棋の魅力

禽将棋は、本将棋に似た奥深さを持つ一方で、独自のルールや駒の動きによって、新鮮な戦略体験を提供します。鳥の名前を冠した駒たちが織りなす戦いは、初心者にも容易に理解でき、熟練者にも高度な戦略を要求します。本将棋に慣れている方にも、全く新しい将棋の世界への扉を開いてくれるでしょう。

参考文献

『禽象戯図解』（文献名）

関連情報

将棋
将棋類の一覧
WinBoard - 禽将棋フリーウェア

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