私はピアノ

「私はピアノ」について

「私はピアノ」は、サザンオールスターズの代表的な楽曲の一つで、1980年3月21日にリリースされたオリジナル・アルバム『タイニイ・バブルス』において4曲目に収録されています。この楽曲は、桑田佳祐が作詞・作曲を手掛けており、編曲はサザンオールスターズ自身が担当、さらには八木正生が弦管編曲を施しています。この曲の特徴は、キーボーディストの原由子が初めてリードボーカルを務めたことにあります。

当楽曲は、サザンオールスターズの得意とする歌謡曲のスタイルが色濃く反映されており、歌詞には原が敬愛しているミュージシャン、ラリー・カールトンやビリー・ジョエルが登場します。また、構成の中にはザ・ピーナッツや、ハナ肇とクレージーキャッツを意識した掛け合いがあり、「シャボン玉ホリデー」やナベプロへのオマージュが込められています。桑田は、自身のパロディーに対しての意識から、原にリードボーカルを託したというエピソードを語っており、その選択が楽曲の魅力を引き立てることに成功しました。

レコーディングにおいて桑田は、原の真っ直ぐな歌唱スタイルをいかに活かすかに悩んだ結果、音源を重ねて録音する方法を採用しました。原由子自身は、自分の歌声への自信がなかったものの、「私はピアノ」を通じて徐々に自信を持つようになったと言われています。

本楽曲は非常に多くのアーティストによるカバーも行われており、例としては、高田みづえによる1980年にリリースされたシングルがあり、今ではその大ヒットは特に有名です。この高田のシングルはオリコンチャートでの売り上げが50万枚に迫り、実際には70万枚を越えるセールスを記録しました。また、彼女は映画や音楽番組への出演を通じてこの楽曲を歌い、1978年の「花しぐれ」以来、さらに多くのファンに愛される存在となりました。

「私はピアノ」は何度も再発売され、2008年にはCD版がリリースされたり、2014年以降はデジタル配信もスタートしています。桑田佳祐自身も2023年に自身のラジオ番組でセルフカバーを行い、楽曲の魅力を新たにファンに届けました。

さまざまなアーティストのカバーとしては、1980年には研ナオコ、1991年にはオルケスタ・デ・ラ・ルス、2014年には村上ゆきや畑中葉子などが挙げられます。特にオルケスタ・デ・ラ・ルスは、スペイン語訳を含むバージョンを発表しており、国際的な評価も得ています。このように、「私はピアノ」は日本の音楽シーンにおいて多大な影響を与え続けている名曲です。

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