私立大学委員会

私立大学委員会について

私立大学委員会は、琉球政府に置かれた行政委員会であり、私立大学の運営を監督する役割を担っていました。この委員会は、1965年に制定された私立学校法（1965年立法第111号）に基づいて設置され、琉球政府下の私立大学の教育と財政を管理する重要な機関でした。

委員会の構成

委員会は、以下の9名の委員で構成されていました。各委員は4年の任期で、立法院の同意を得た後、行政主席によって任命されました。

私立大学の推薦する者：3名
文教局の推薦する者：3名
中央教育委員会の推薦する者：3名


この構成は、私立大学の意見、教育行政の専門知識、および教育政策全体の視点を委員会に取り込むことを意図していました。

職務権限

私立大学委員会は、以下の主要な職務権限を持っていました。

1. 政府補助金に関する予算案の作成: 私立大学への政府補助金の交付に関する予算案を作成し、財政的な支援を計画しました。
2. 教育に関する立法案の作成: 私立大学の教育に関する立法案を作成し、教育の質を向上させるための法的枠組みを整備しました。
3. 規則の制定: 上記の権限に属する事務に関する規則を制定し、委員会の運営と私立大学の管理を円滑に進めるためのルールを定めました。


これらの職務権限を通じて、私立大学委員会は琉球政府における私立大学の発展に大きく貢献しました。

対象となった私立大学

委員会が所轄していた私立大学は以下の通りです。

沖縄大学
国際大学（現在の沖縄国際大学）


これらの大学は、委員会の監督と支援を受けながら、地域の高等教育機関として重要な役割を果たしました。

委員会の廃止とその後

1972年の沖縄返還に伴い、私立大学委員会は廃止されました。委員会の事務は文部省に移管され、琉球政府の教育行政は日本政府の管轄下に統合されました。

まとめ

私立大学委員会は、琉球政府における私立大学の発展を支えた重要な機関でした。その設立から廃止までの期間、教育予算の策定、教育関連法案の作成、規則の制定を通じて、沖縄の高等教育の基盤を築きました。委員会の活動は、沖縄の教育史において重要な足跡を残しています。

参考文献

照屋栄一『沖縄行政機構変遷史 明治12年～昭和59年』照屋栄一、1984年8月15日。NDLJP:9775065。

関連項目

* 琉球政府

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