秋本芳徳

秋本芳徳（あきもと よしのり）は、1961年12月23日生まれの日本の官僚です。東京大学法学部を卒業後、1988年に旧郵政省に入省しました。キャリアの初期には、和光郵便局長を務めるなど、地方の現場も経験しています。その後、旧郵政省、総務省において、主に情報通信分野で様々な要職を歴任しました。

1995年以降は、大臣官房総務課課長補佐を皮切りに、データ通信課、国際政策課、電気通信事業部事業政策課など、複数の課で課長補佐を経験しました。2005年には、竹中平蔵総務大臣の秘書官を務め、大臣を間近で補佐する重要な役割を担いました。2007年には、情報通信政策局情報通信政策課長に就任し、地域通信振興課長、放送政策課長、事業政策課長などを歴任しました。

その後も、大臣官房企画課長、大臣官房総括審議官などの要職を経験し、2020年には情報流通行政局長に昇進しました。しかし、2021年、東北新社とNTTからの違法接待問題が発覚し、大きな転換期を迎えます。東北新社からの接待問題では、当初、記憶にないとしていましたが、NTTからの接待についても、同様に発覚し、減給処分を受けました。これらの問題を受けて、2021年7月に辞職しました。

秋本氏のキャリアは、情報通信分野の政策立案に長く携わり、その専門性と手腕を発揮してきたと言えるでしょう。しかし、倫理的な問題で責任を問われることとなり、そのキャリアに大きな影を落とすこととなりました。辞職後、2022年には電気通信普及財団理事長に就任し、再び活動を始めています。

秋本芳徳の主な経歴

1988年: 東京大学法学部卒業、郵政省入省
1994年: 和光郵便局長
1995年: 郵政省大臣官房総務課課長補佐
2005年: 総務大臣秘書官（竹中平蔵大臣）
2007年: 情報通信政策局情報通信政策課長
2010年: 情報流通行政局地域通信振興課長
2012年: 情報流通行政局放送政策課長
2015年: 総合通信基盤局電気通信事業部事業政策課長
2020年: 情報流通行政局長
2021年: 違法接待問題で官房付、減給処分、辞職
* 2022年: 電気通信普及財団理事長

違法接待問題

秋本氏は、東北新社とNTTから過剰な接待を受けていたことが問題となりました。これらの接待は、国家公務員倫理法に違反するものであり、秋本氏の処分と辞職の原因となりました。当初、秋本氏は、これらの接待について「記憶にない」と説明していましたが、その後の調査で、接待を受けていたことが明らかになりました。この問題は、総務省の幹部に対する接待問題として、社会的な関心を集めました。

その後

秋本氏は、辞職後、2022年に電気通信普及財団理事長に就任しました。この財団は、情報通信技術の普及と発展を目的としており、秋本氏は、官僚時代の経験を活かし、情報通信分野の発展に貢献していくことが期待されています。

秋本氏のキャリアは、政策立案能力と実行力を示す一方で、倫理観の重要性も浮き彫りにしました。情報通信行政に深く関わってきた官僚として、その功績と過ちの両方が、今後の官僚のあり方を考える上で重要な教訓となるでしょう。

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