秋水美術館

秋水美術館：刀剣と美術の融合

秋水美術館は、富山県富山市中心市街地に位置する、全国でも稀有な刀剣専門の美術館です。2016年、医薬品メーカー創業者であり、日本美術刀剣保存協会富山県支部長でもあった故森政雄氏の長年の収集品を基に開館しました。2020年にはリニューアルオープンし、現在は公益財団法人として運営されています。美術館名は、曇りのない研ぎ澄まされた刀を意味する「秋水」から名付けられました。

コレクションの豊富さ

美術館の所蔵品は、刀剣、刀装具、甲冑といった武具類のみならず、日本近代絵画、陶芸作品、中国陶磁器など多岐に渡ります。特に、刀剣コレクションは圧巻で、国宝や重要文化財に指定されている虎徹や正宗といった名刀をはじめ、越中（富山）の名工である則重や郷義弘の作品も多数所蔵しています。これらの貴重なコレクションは、日本の美術史、特に刀剣文化を知る上で貴重な資料となっています。

さらに、俳優の菅原文太氏から寄贈された短刀など、多数の作品も収蔵しており、そのコレクションの幅広さと深さは、他に類を見ません。絵画作品では、横山大観、川合玉堂、竹内栖鳳、小磯良平、徳田八十吉といった日本を代表する巨匠たちの作品が鑑賞できます。これら絵画作品は、刀剣コレクションとは異なる視点から、日本の美意識や文化の一端を垣間見せてくれます。

美術館の建築と施設

甲冑をイメージした墨色のアルミ製外壁が印象的な鉄筋コンクリート造りの地上4階建ての建物です。館内には、常設展示室、企画展示室、ロビー、ミュージアムショップ、喫茶室など、来館者が快適に過ごせる空間が整備されています。1階には、北陸ゆかりの作家の作品を展示するギャラリーや、和室の研修室「霜華」、庭園なども設けられています。無料駐車場も28台分完備されています。

展示内容と充実した設備

1階にはロビー、受付、ギャラリー、研修室、ミュージアムショップ、喫茶室などが配置され、来館者にとって居心地の良い空間となっています。2階は常設展示室となっており、日本刀、鐔（つば）、甲冑などが展示され、情報コーナーも併設されています。3階は企画展示室で、絵画、書、陶芸品などの企画展が開催されます。

アクセスと開館情報

富山地方鉄道富山都心線、コミュニティバス、市内周遊バスなど、公共交通機関でのアクセスも良好です。北陸自動車道富山ICからも車で約15分と、利便性が高い立地です。開館時間は午前10時～午後6時（入館は午後5時30分まで）、休館日は月曜日（祝日を除く）、祝日の翌日、年末年始です。観覧料は一般800円、高校生300円、中学生以下は無料です。

秋水美術館の意義

秋水美術館は、単なる美術館としてだけでなく、地域の文化振興、教育にも貢献しています。刀剣文化の普及、日本の美術史の理解促進、そして地域活性化に大きな役割を果たしています。 貴重なコレクションを公開することで、来館者たちに日本の歴史と文化への深い理解を促し、日本の美意識に触れる機会を提供しています。 その存在は、富山県のみならず、日本全国の文化遺産保護に貢献する重要な拠点となっています。

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