秋田焼山

秋田焼山: 壮大な自然とともにある火山

秋田焼山（あきたやけやま）は、秋田県北東部に位置する活火山であり、鹿角市と仙北市の境界に広がる独特の地形を持つ存在です。この火山は直径約7kmにわたる成層火山であり、熊沢山または硫黄山とも呼ばれています。火山の特徴には、直径600mの外輪山が存在し、焼山の山頂がその南西の端に位置しています。

この火山は、デイサイトの溶岩円頂丘が形成されており、中央火口丘である鬼ヶ城や、火口南東の縁に位置する火口があります。さらに、主山体の東側には側火山の栂森があり、中央火口丘の国見台からは東側に向かって溶岩が流出しています。その南側には、黒石森という別の側火山が存在します。

湯沼と歴史

山頂部には、直径700mほどの山頂火口である湯沼があります。この沼は白濁した水面を持ち、活発に水蒸気を噴出しています。また、周囲には硫黄の匂いが漂っており、訪れる人々に強い印象を与えています。特に湯沼の東部には、かつて阿部藤助が湯花を取り出すために掘った溝が存在し、大正時代には水が枯れ、湖底が露出したこともありました。

1950年代、荻原鉱業が湯沼まで索道を通し、そこから硫黄を採掘した時期もあり、約200人がこの地点で働いていました。その後、精鉱された硫黄は八幡平駅へと運ばれ、宝貴な資源として利用されました。

登山とコース

秋田焼山は登山者にも人気があり、各種の登山コースが整備されています。主な登山ルートとしては以下のものがあります:

• - 後生掛温泉 - 国見台 - 毛せん峠 - 栂森展望台 - 焼山避難小屋 - 鬼ヶ城 - 名残峠 - 山頂 - 冷水場 - 玉川温泉
• - 後生掛温泉 - ベコ谷地 - 澄川地熱発電所PR館分岐 - 湯ノ沢 - 硫黄取りの湯 (野湯) - 鉱山跡 - 空沼のやせ尾根 - 焼山避難小屋 - 鬼ヶ城 - 名残峠 - 山頂

これらのコースは自然豊かで、特に鬼ヶ城周辺からの眺望は素晴らしいものとなっています。近年では、空沼での噴火や有毒ガスの発生に伴い、通行が制限されることもありましたが、現在はロープが張られ、登山道が確保されています。

温泉も周囲に点在しており、後生掛温泉と玉川温泉は登山の起点として利用されています。また、火山性ガスによるリスクがあるため、登山道以外の立ち入りは禁止されています。

伝説と火山活動

地元の伝説によれば、奥州征伐に来た坂上田村麻呂が蝦夷の大将を討った際、登鬼盛が鬼ヶ城に立てこもったとされています。この場所はカルデラの中に位置し、有利な戦闘環境を提供したものの、最終的には討たれてしまった伝説が語られています。

秋田焼山の火山活動は、50万年前から始まり、今もなおその歴史が続いています。807年の噴火をはじめ、1678年や1867年など、時折大きな活動が見られました。最近では1997年や2013年にも警戒が必要な噴火が発生し、その後も火山活動の監視が続いています。

秋田焼山は、その壮大な自然環境と火山活動の歴史、登山資源としての魅力を合わせ持つ特別な場所です。訪れることで、自然のパワーと美しさを実感できるでしょう。

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