秋田青年師範学校

秋田青年師範学校

秋田青年師範学校（あきたせいねんしはんがっこう）は、1944年（昭和19年）に創設された官立の青年師範学校です。主に青年学校で教鞭をとる教員の育成を目的としていました。その歴史は、1924年（大正13年）に設立された秋田県立実業補習学校教員養成所に遡ります。

沿革

学校の起源は、1924年3月12日に文部省から設立が認められた秋田県立実業補習学校教員養成所にあります。この養成所は、同年4月1日に秋田市泉（当時の南秋田郡旭川村）にあった秋田県農業試験場に併設される形で開校しました。

その後、青年学校令の施行に伴い、1936年（昭和11年）3月には秋田県立青年学校教員養成所と名称が変更され、修業年限も2年制となりました。校地は、1941年（昭和16年）7月に現在の秋田市四ツ小屋（当時の河辺郡四ツ小屋村小阿地）にあった独立校舎へ移転しました。

太平洋戦争中の1944年4月1日、教育体制の強化を目指す国の政策により、秋田県立青年学校教員養成所は国へ移管され、官立の「秋田青年師範学校」として新たなスタートを切りました。これに伴い、修業年限も本科3年制に改められました。

第二次世界大戦終結後の教育制度の大改革、いわゆる学制改革を経て、1949年（昭和24年）5月31日に新制秋田大学が誕生します。秋田青年師範学校は、秋田師範学校などとともに統合され、新設された学芸学部（現在の教育文化学部）の母体の一つとなりました。旧制学校としての秋田青年師範学校は、1951年（昭和26年）3月31日をもって正式に閉校しました。

校地

秋田青年師範学校は、前身の秋田県立青年学校教員養成所が使用していた河辺郡四ツ小屋村小阿地の校地を引き続き利用しました。この場所は現在の秋田市四ツ小屋小阿地や御所野地蔵田にあたります。閉校後、この四ツ小屋の校地は秋田大学学芸学部に継承され、1990年（平成2年）3月まで秋田大学四ツ小屋農場として活用されました。現在、この周辺は御所野ニュータウンとして開発が進み、校地跡付近からは地蔵田遺跡などが発掘されています。

歴代校長

学校の組織改編に伴い、以下の人物が各時代の校長・所長を務めました。

秋田県立実業補習学校教員養成所長 (1924年3月 - 1935年3月)
佐藤 昌 (1924年3月 - 1925年3月)
足立 啓次 (1925年4月 - 1933年7月)
山口 巖太郎 (1933年9月 - 1935年3月)

秋田県立青年学校教員養成所長 (1935年4月 - 1944年3月)
山口 巖太郎 (1935年4月 - 1936年3月)
伊藤 久松 (1936年4月 - 1938年1月)
稲内 清二 (1938年1月 - 1940年3月)
高橋 昇 (1940年4月 - 1941年5月)
小泉 松五郎 (1941年5月 - 1944年3月)

秋田青年師範学校長 (1944年4月 - 1951年3月)
中島 桂蔵 (1944年4月 - 1945年11月)
瀬戸 金治 (1945年11月24日 - 1949年10月)
野口 洪基 (1949年11月 - 1951年3月)

関連事項

秋田青年師範学校は、秋田鉱山専門学校や秋田師範学校とともに、新制秋田大学の旧制前身校を構成しました。閉校後の後身校は秋田大学教育文化学部にあたります。同窓会として「旭水会」があります。学校があった四ツ小屋の地は、学制改革や戦後の地域開発の歴史を物語る場所となっています。

（注：著名な出身者に関する情報がインプットにないため、本文には含んでいません。）

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