河辺郡

河辺郡（かわべぐん）

河辺郡は、かつて秋田県に存在した郡です。1664年までは豊島郡（としまぐん）と呼ばれていました。この地域は、現在の秋田市の一部と大仙市の一部にまたがっていました。

郡域

1878年（明治11年）に行政区画として発足した当時の郡域は、以下の区域にあたります。

秋田市の一部（雄和新波、雄和繋、雄和神ケ村、雄和碇田、雄和萱ケ沢、雄和向野および下浜各町を除く新屋各町、牛島各町、上北手各町、下北手各町、河辺各町以南）
大仙市の一部（協和船岡、協和船沢）

歴史

郡郷の成立

『倭名類聚抄』（934年頃成立）以前に設置された郡郷は、以下の8郷です。

川合郷
中山郷
邑知郷
田郡郷
大泉郷（道川付近）
稻城郷
芹泉郷（荇泉郷）
餘戸郷

江戸時代

1622年：山形藩最上氏領であった由利[[郡]]浜田村が、領土交換により久保田藩佐竹氏領となり、豊島郡へ移りました。
1664年：豊島郡が改称され、河辺郡となりました。

近代以降の沿革

幕末時点では出羽国に所属し、全域が久保田藩領でした。「旧高旧領取調帳」によると、明治初年時点に存在した村は以下の通りです（59村）。

百三段新屋村、百三段石田坂村、四ツ小屋村、小山村、小阿地村、目長田村、百三段浜田村、豊巻村、相川村、戸賀沢村、下黒瀬村、平沢村、椿川村、芝野新田村、田草川村、畑谷村、末戸村、松本新田村、石田村、種沢村、平尾鳥村、左手子村、妙法村、女米木村、野田高屋村、豊成村、北野田高屋村、古野村、松淵村、式田宮崎村、諸井村、高岡村、赤平村、大沢村、岩見村、三内村、船沢村、神内村、船岡村、大張野村、御所野村、猿田村、小山田村、大山田村、仁井田村、百崎村、柳館村、寒川村、荒巻村、柳原新田村、牛島村、松崎村、桜村、通沢村、宝川村、黒川村、梨平村、大戸村、大杉沢村

1869年1月19日：出羽国が分割され、河辺郡は羽後国の所属となりました。
1871年3月3日：久保田藩が改称し、秋田藩となりました。
1871年8月19日：廃藩置県により、藩領が秋田県となりました。
1871年12月13日：第一次府県統合により、秋田県の管轄となりました。
明治6年：式田宮崎村が和田村に、野田高屋村が戸島村に改称しました。

郡の発足

1878年12月23日：郡区町村編制法の秋田県での施行により、行政区画としての河辺郡が発足しました。郡役所は牛島村に設置されました。
末戸村と松本新田村が合併し、末戸松本村となりました。
百三段新屋村の一部として扱われていた百三段新屋比内南町が独立しました。

町村制施行後の沿革

1889年4月1日、町村制の施行により以下の町村が発足しました（特記以外は全域が現・秋田市）。

牛島村：牛島村、柳原新田村
新屋村：百三段新屋村、百三段新屋比内南町
浜田村：百三段浜田村（単独村制）
豊岩村：豊巻村、百三段石田坂村、小山村
仁井田村：仁井田村、目長田村
四ツ小屋村：四ツ小屋村、小阿地村、末戸松本村
川添村：椿川村、田草川村、芝野新田村、下黒瀬村、平沢村、石田村、妙法村
中川村：種沢村、平尾鳥村、左手子村、相川村、女米木村、戸賀沢村
豊島村（第1次）：戸島村、北野田高屋村、松淵村、畑谷村、豊成村
和田村：和田村、諸井村、高岡村、赤平村、大沢村、大張野村、神内村
船岡村：船岡村、船沢村（現・大仙市）
岩見三内村：三内村、岩見村
上北手村：猿田村、大山田村、古野村、御所野村、百崎村、大戸村、大杉沢村、小山田村、荒巻村
下北手村：桜村、松崎村、柳館村、寒川村、通沢村、梨平村、黒川村、宝川村

1891年4月1日：郡制を施行しました。
1893年1月7日：郡役所が牛島警察署とともに焼失しました。
1893年11月30日：郡役所を再建し、業務を再開しました。
1895年11月20日：中川村の一部が分割され、種沢・平尾鳥・左手子が種平村、相川・女米木・戸賀沢が戸米川村として発足しました。
1896年5月16日：牛島村が町制施行し、牛島町となりました。
1896年6月1日：新屋村が町制施行し、新屋町となりました。
1923年4月1日：郡会が廃止されましたが、郡役所は存続しました。
1924年4月1日：牛島町が秋田市に編入されました。
1926年7月1日：郡役所が廃止され、以降は地域区分名称となりました。
1935年1月1日：和田村が町制施行し、和田町となりました。
1941年4月1日：新屋町が秋田市に編入されました。
1942年4月1日：豊島村（第1次）が和田町に編入されました。
1948年4月1日：由利[[郡]]大正寺村の所属郡が河辺郡に変更されました。
1950年7月1日：和田町の一部が分立し、戸島・北野田高屋・松淵・畑谷・豊成を区域とする豊島村（第2次）が発足しました。
1954年10月1日：浜田村、豊岩村、仁井田村、四ツ小屋村、上北手村、下北手村が秋田市に編入されました。
1955年3月31日：和田町、豊島村、岩見三内村が合併し、河辺町が発足しました。船岡村は仙北[[郡]]の村と合併し、仙北[[郡]]協和村（現・大仙市）となりました。
1956年9月30日：戸米川村、種平村、大正寺村が合併し、雄和村が発足しました。
1957年6月1日：川添村が雄和村に編入されました。
1972年4月1日：雄和村が町制施行し、雄和町となりました。
2005年1月11日：河辺町と雄和町が秋田市に編入され、河辺郡は消滅しました。これは、秋田県内で明治11年（1878年）の郡の再編以来、初の郡消滅となりました。

変遷表

（省略）

行政

歴代郡長

（省略）

脚注

（省略）

参考文献

「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典 5 秋田県』角川書店、1980年3月1日。ISBN 4040010507。
旧高旧領取調帳データベース

関連項目

* 消滅した郡の一覧

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