科学技術データ委員会

科学技術データ委員会（CODATA）の概要

科学技術データ委員会（CODATA、Committee on Data for Science and Technology）は、科学技術分野におけるデータの質、信頼性、管理、アクセシビリティの向上に貢献する国際的な学際組織です。1966年に国際科学会議（ICSU、現International Science Council）によって設立されました。CODATAは、その略称で広く知られており、科学技術に関する様々なデータを網羅的に扱うことで、研究開発の進展に大きく寄与しています。

CODATAは、2年ごとに国際会議を開催し、世界中の研究者や専門家が最新の研究成果やデータに関する議論、情報交換を行う場を提供しています。これにより、科学技術データの標準化や共有化が促進され、国際的な研究協力の強化に繋がるのです。

CODATAの基礎物理定数タスクグループ

CODATAの中でも特に著名なのが、基礎定数タスクグループです。このグループは1969年に設立され、国際的に認められた基礎物理定数とその関連する変換係数のセットを定期的に提供することを目的としています。このタスクグループの活動はCODATA全体と密接に関連しており、両者の活動はしばしば混同されることもあります。

CODATAによる基礎物理定数表は、1969年に初めて発表されました。当初は12～13年ごとの改訂でしたが、インターネットの発達に伴い、情報更新のスピードが求められるようになり、1998年以降は4年ごとの改訂へと移行しています。この迅速な更新は、科学技術の急速な進歩に対応し、常に最新の正確な情報を提供することを目指すCODATAの姿勢を示しています。

これらの推奨値は、アメリカ国立標準技術研究所（NIST）のウェブサイトで公開されています。最新の推奨値である「2022 CODATA」や、「2022 CODATA推奨値」として知られる定数値は、世界中の科学者や技術者にとって、重要な参照情報源となっています。

新SI単位系の定義への貢献

CODATAは、2019年5月20日に施行された国際単位系（SI）の再定義にも重要な役割を果たしました。2018年11月16日の国際度量衡総会において採択された新しいSI定義では、プランク定数、電気素量、ボルツマン定数、アボガドロ定数の4つの物理定数が、SI基本単位の定義に用いられることになりました。

CODATAは、これらの定数の最終的な数値を決定し、2018年1月28日に「2017 special CODATA adjustment」として発表しました。そして、新しいSI定義の正式な採択に合わせて、新しい物理定数の値（不確かさの値を含む）を反映した「CODATA 2018」を世界計量記念日の2019年5月20日に公表しました。この迅速かつ正確な対応は、CODATAの国際的な科学コミュニティへの貢献の大きさを示すものです。

CODATAの活動と影響

CODATAの活動は、基礎物理定数の提供にとどまりません。CODATAは、様々な科学技術分野におけるデータの品質向上のための様々な活動を行っています。その活動は、科学技術の進歩に不可欠な信頼できるデータ基盤の構築に大きく貢献しており、今後もその役割はますます重要になっていくでしょう。

CODATAの活動は、国際的な科学技術の発展に貢献するだけでなく、社会全体における科学リテラシーの向上にも繋がります。正確で信頼できる科学データへのアクセスは、科学技術の進歩だけでなく、社会問題の解決や持続可能な社会の構築にも不可欠だからです。

CODATAの将来の活動に期待が集まっています。

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