秦始皇帝陵及び兵馬俑坑

秦始皇帝陵及び兵馬俑坑

秦始皇帝陵及び兵馬俑坑（しんしこうていりょうおよびへいばようこう）は、中国陝西省西安から北東に30kmの地点に位置し、秦の始皇帝の改葬地およびその周辺にある兵馬俑の遺跡を指します。この場所はユネスコの世界文化遺産に登録されており、中国の重要な観光地の一つとしても知られています。

概要

秦始皇帝は中国の歴史において初めての皇帝であり、その強大な権力を背景に紀元前246年から紀元前208年にかけて壮大な陵墓を建立しました。この陵墓が秦始皇帝陵です。1974年に地元の農民によって兵馬俑が発見され、1975年に報道されたことで瞬く間に世界的な注目を集めました。

この陵墓は高さ76メートルのピラミッド型の土塁であり、長い年月の浸食によりその頂部は滑らかになっています。兵馬俑は陵墓から1.5km東に位置し、その面積は約2ヘクタールの範囲に広がっています。この地域には、成年男性の等身大の武士俑が約8000体、さらに戦車が100台以上、陶製の馬が600体以上存在し、すべてが戦闘準備の姿勢をとっています。

兵馬俑の発見は、中国の歴史研究において特に貴重なものであり、当時の衣服、武器、馬具などの詳細や、始皇帝の考え方を知る手がかりとなっています。さらに、現在も発掘調査が進められているものの、兵馬俑の表面に施された色彩が消失するリスクがあるため、周辺地域には未発掘のスペースが広がっています。また、兵馬俑を建設したのは二代皇帝・胡亥であるという説も存在します。

歴史的背景

歴史書『史記』によれば、始皇帝の遺体の安置場所近くには「水銀の川や海が作られた」という記録があります。この記述はかつては誇張された神話と考えられていましたが、1981年の調査によってこの周辺で水銀の蒸発が確認されました。

世界遺産登録基準

秦始皇帝陵および兵馬俑坑は、世界遺産登録基準のいくつかを満たしており、以下の条件が評価されています。

• - (1) 人類の創造的才能を示す傑作。
• - (3) 現在または過去の文化的伝統や文明の貴重な証拠。
• - (4) 歴史的に重要な時代の建築様式や技術の優れた例を示す。
• - (5) 文化を代表する伝統的な集落の例。

このように、秦始皇帝陵と兵馬俑坑は中国の歴史的、文化的な価値を理解するための重要な遺産であり、その魅力は訪れる人々を惹きつけています。歴史の重みを感じながら、これらの場所を訪れることで、その背後にある壮大な物語を感じ取ることができるでしょう。

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