秩父宮記念公園

秩父宮記念公園の概要

秩父宮記念公園（ちちぶのみや きねんこうえん）は、かつて秩父宮雍仁親王とその妃、勢津子が住んでいた元別邸を整備し、公開した公園です。静岡県御殿場市の美しい箱根外輪山の麓に位置し、勢津子妃の遺言に基づき、御殿場市に寄贈された後に公園として整備されました。名前が「秩父」という地名を含むため誤解されやすいですが、実際には埼玉県秩父市には所在していません。

歴史的背景

この公園のルーツは、血盟団事件によって命を落とした大蔵大臣、井上準之助の別荘「皆山堂」にさかのぼります。この施設は、もともと享保年間（1723年）に設立された小宮山家の家屋を、昭和2年（1927年）に解体・移築して作られました。昭和16年（1941年）に宮家が購入し、「秩父宮御殿場御別邸」として利用されました。戦争中や戦後の時代もこの場所で生活が続けられてきました。

さらに、昭和25年（1950年）には陶芸家・加藤土師萌によって、三峯窯棟が作られ、その後平成4年（1992年）には勢津子妃のための新館が建設されました。1995年（平成7年）に秩父宮家から御殿場市へ遺贈された後、2003年（平成15年）春に公園としてオープンしました。公園全体の敷地面積は18,000坪を超え、標高500mの場所に広がっています。この地域は、夏でも涼しく、周囲を1,000本の檜林が取り囲む自然豊かな環境です。

魅力と景色

公園内には高山植物が育つエリアや、かつて秩父宮が焼き物を制作していた「三峰窯」も残されています。特に工程中の母屋からは、雄大な富士山の姿を楽しむことができ、来園者にとってびっくりするほどの美しい景色が楽しめます。自然の中で静けさと歴史を感じながら過ごすことができるこの公園は、訪れる価値があります。

アクセス情報

秩父宮記念公園へのアクセスは非常に便利です。富士急モビリティの河口湖線、東山循環線、箱根登山バスなど、いくつかの路線が利用可能で、「秩父宮記念公園」停留所からは徒歩約5分の距離に位置します。また、JR御殿場線御殿場駅からは、御殿場プレミアム・アウトレット行きのバスで約5分で到着できます。車の場合は、東名御殿場ICから約5分というアクセスの良さが魅力です。

関連施設

周辺には、秩父宮記念市民会館（埼玉県秩父市）、秩父宮記念体育館（神奈川県藤沢市）、秩父宮ラグビー場などの関連施設もあり、地域の文化やスポーツの拠点としても利用されています。

美しい自然を楽しみながら、歴史に触れることができる秩父宮記念公園は、訪れる人々に心安らぐひとときを提供してくれます。ぜひ一度足を運んでみてください。

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