血盟団事件

血盟団事件概要



血盟団事件(けつめいだんじけん)は、1932年昭和7年)2月から3月にかけて日本で発生した一連のテロ行為および政治暗殺事件です。この事件では「血盟団」と呼ばれる右派の集団により、政財界の重要人物が狙われ、結果として井上準之助と團琢磨暗殺されました。血盟団事件は右派運動における一つの重要な出来事として位置づけられ、当時の日本社会に対する影響も大きかったとされています。

名称の由来



一般に「血盟団事件」と呼ばれていますが、「血盟団」という正式な名称の集団が存在したわけではありません。この名称は、1930年末に行われた日本国民党の忘年会での発言がきっかけとなり、井上日召周辺の支持者たちがこの集団を非公式に「血盟団」と呼ぶようになったもので、明確な自称は存在しません。事件の初期報道では「血盟五人組」や「血盟団暗殺団」と称され、最終的に木内曾益検事が「血盟団事件」と名付けました。

血盟団の成り立ち



血盟団は井上日召を中心とする青年たちの集団であり、主に大洗組、東京帝大グループ、京都グループで構成されていました。メンバーには古内栄司や四元義隆などがいましたが、特に藤井斉などの海軍将校との関係が強化されることで、活動が活発化していきました。また、井上は日蓮主義の影響を受けた思想的な支柱を持ち、これが彼らの行動にも影響を及ぼしました。

暴力行動への転換



血盟団は当初、国家改造という大義名分の下、クーデターを目論んでいましたが、次第に暗殺という過激な手段に出るようになりました。特に1929年、重要な海軍将校である藤井の影響を受け、井上はこれまでの静かな活動から一歩踏み出し、テロ行為を指向するようになります。

テロ計画の実行



1932年1月、血盟団のメンバーたちは集まってテロ計画を具体化し、紀元節である2月11日に政財界の反軍的な要人を一斉に暗殺することを決めました。しかし、様々な事情で計画は変更され、最終的に井上準之助と團琢磨がターゲットにされ、成功裏に暗殺が実行されることとなります。

結果と影響



この一連の事件は、日本における政治的な混乱と右派テロの台頭を象徴するものとなりました。事件後、井上日召やその他のメンバーは逮捕され、大規模な裁判が行われました。裁判においては、殺人罪で無期懲役や懲役15年などの判決を受けるなど、結果的に彼らの影響力は衰えていきましたが、それでも事件は日本の政治史において重要な出来事として語り継がれています。抗議活動や思想的な議論の火種ともなり、特に五・一五事件などその後のテロ行為にも影響を与えました。

参考文献


この事件に関する多くの書籍があり、興味のある方はそれらを参考にするとより深い理解が得られるでしょう。

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