程璧光

程璧光の生涯

程璧光（てい へきこう）は、清末から民初にかけて活躍した海軍軍人である。彼の字は恒啓、また号は玉堂である。程璧光は南方政府を指導した孫文（孫中山）を支持し、中国の近代史に名を刻んだ重要な人物であった。

海軍軍人としての苦闘

彼の父はアメリカで商売をしていたが、1871年にサンフランシスコで亡くなった。父の死後、程璧光は棺を守るために帰国を果たした。15歳の時、彼は馬江船政局の水師学堂で学び、海軍に入隊した。卒業後、彼は順調に昇進し、1894年には粤艦領隊に任命され、広甲・広乙・広丙の3艦を率いて北上した。

日清戦争が勃発する際、程は当初後備ではあったが、自ら李鴻章に最前線への出陣を志願し、許可を得た。だが、彼は大東溝で日本艦隊との戦闘中に負傷してしまう。1895年には威海衛で北洋艦隊が壊滅し、清は敗北を喫すると、程は軍職を解かれて帰郷することとなった。

革命への関与

帰郷後、程璧光は孫文と出会い、興中会に参加することになる。しかし、同年に興中会の蜂起が失敗し、彼はマレーシアのペナン島へ逃れることとなる。しばらくは革命にも距離を置く時期が続くが、1896年に李鴻章と再会し、再び海軍に復職することに。彼は英国で建造中の艦艇の指揮を任され、帰国後は北洋営務処会弁や船政司司長などを歴任した。

1909年には巡洋艦隊統領に選ばれ、次の年には海軍部第二司司長に就任。その参加したジョージ5世の戴冠式では、正式な使者としても随行した。辛亥革命が勃発した際、程はまだ海外にいたが、1912年の夏に帰国し、その際にはすでに劉冠雄が海軍総長となっていたため、辞職を選択し上海に身を潜めた。

新政権下での功績と苦悩

もとより袁世凱は程を放置せず、翌年には海軍高等顧問として呼ばれることになる。さらに陸海軍大元帥統率弁事処参議にも就任。しかし、1915年に袁世凱が皇帝位を狙う動きに対して、表向きの反抗はしなかったものの、不満を友人に漏らす手紙を送っていた。

袁世凱が亡くなった1916年には、段祺瑞内閣で海軍総長に任命され、黎元洪の支持を得ながら、政局の混乱の中に身を置くことになる。

孫文との関係

程は孫文の護法運動にも参加を促す。しかし、黎元洪が南下することには消極的だったため、程は単独で兜率艦を率いて上海へ向かうこととなる。そして1918年には、中華民国軍政府において海軍総長に就任した。

不幸な晩年

しかし、同年2月26日、程璧光は広州で刺客に狙撃され、胸を撃たれて即死する。享年58。暗殺の背後には、孫文派の一員による指示があったともされる。程の死は孫文を悼ませ、海珠公園には彼の銅像が建てられることとなった。程の死後、孫文派と旧桂系との関係は劇的に悪化し、程璧光の複雑な運命を反映するものであった。

彼の生涯は、清末の混乱や民初の黎明期における政治の変遷と共にあり、重要な歴史的意義を持つ。

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