種族 (ファンタジー)

ファンタジー世界の種族

ファンタジー作品における種族とは、知性を持つ生物を分類する概念です。神話や民話に登場するエルフやドワーフ、指輪物語に登場するホビットなど、様々な種族がファンタジー世界を彩ります。近年では、ロボットやアンドロイド、クローンといった人造物も種族として扱われることがあります。

一般的に、種族とは社会を形成する知性的な生物を指し、野生動物が種族として扱われることは稀です。

ゲームにおける種族

テーブルトークRPGやコンピュータRPGでは、種族はキャラクタークラス（役割）として扱われる場合と、別の属性として扱われる場合があります。

D&Dにおける種族

初期の『ダンジョンズ&ドラゴンズ』（D&D）では、ファイター、クレリック、シーフ、マジックユーザーに加え、エルフ、ドワーフ、ハーフリングの7種がキャラクタークラスとして存在しました。エルフは戦闘能力と魔法能力を併せ持ちますが、生命力が低く成長が遅いという特徴があります。ドワーフはファイターよりも高い生命力を持ちますが、同様に成長が遅いです。ハーフリングは戦闘能力こそ低いものの、タフさと身軽さを活かした行動が可能です。

D&Dの世界観は、ヒロイック・ファンタジー作品をベースにしており、種族名も指輪物語などから引用されています（ただし、ホビットは版権の関係でハーフリングに変更）。

ウィザードリィにおける種族

コンピュータRPGの元祖である『ウィザードリィ』では、種族とキャラクタークラスが完全に分離されました。種族の違いは、主に身体的・精神的な能力に影響を与え、D&Dの傾向を引き継いでいます。例えば、人間は平均的な能力を持ち、エルフは肉体的に弱いといった特徴があります。ドワーフをシーフにするといった選択も可能です。

種族の文化的背景

種族の違いは、能力だけでなく文化的な背景にも及びます。ドワーフは凝り性で酒豪であるといったイメージは、その一例です。テーブルトークRPGでは、このような背景をもとにキャラクターを演じることがあります。小説やゲームに登場する亜人のキャラクターは、ステレオタイプなイメージで描かれることも少なくありません。エルフは人里離れた場所に住み、ドワーフは力が強く採掘が得意といった設定は、よく見られる例です。

種族は、ファンタジー世界の多様性を表現する上で欠かせない要素です。それぞれの種族が持つ独自の文化や価値観が、物語に深みを与えます。

参考文献

安田均 / グループSNE『キャラクター・コレクション（下）-ファンタジーRPGの職業・役割-』富士見書房〈富士見ファンタジア文庫〉1991年11月30日、ISBN 4-8291-4247-2。

関連項目

中つ国の種族・人種 - その他の種族についてはこちらを参照してください。
怪物
亜人・ヒューマノイド

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