種村有菜

種村 有菜（たねむら ありな）

1978年3月12日生まれ、愛知県一宮市出身の日本の漫画家です。本名は種村有菜。

来歴

1996年、集英社の『りぼんオリジナル』6月号に掲載された短編「2番目の恋のかたち」で漫画家としてデビューを飾りました。翌1997年には、デビュー後3作目となる「かんしゃく玉のゆううつ」が『りぼん』本誌に初めて掲載され、同年6月号からは『イ・オ・ン』で初の連載を開始しました。

種村氏の代表作となり、その名を広く知らしめたのは、1998年から連載された『神風怪盗ジャンヌ』です。同作は累計発行部数500万部を超える大ヒットを記録し、テレビアニメ化もされました。その後もヒット作を生み続け、2002年からは『満月をさがして』を連載。この作品も『神風怪盗ジャンヌ』と同様にテレビアニメ化され、人気を博しました。2004年に始まった『紳士同盟†』は約4年間にわたる連載となり、これまでの自身の作品の中で最も長い連載期間となりました。

漫画執筆だけでなく、様々な活動にも挑戦しています。2008年5月からの約1年間は、インターネットラジオサイトS-ラジにて、自身がパーソナリティを務めるインターネットラジオ番組「種村有菜のラジオDEシャキン★」が放送されました。

2011年には、長年活動の中心であった『りぼん』との専属契約が終了しました。同年、活躍の場を広げ、同社の『マーガレット』にて『風男塾物語』の連載を開始しています。翌2012年12月号をもって、『りぼん』本誌からは離籍することになりました。しかしその後も集英社の様々な媒体で作品を発表し続けています。

作風と影響

繊細で華やかな、独特の絵柄が特徴です。特にカラーイラストには定評があり、デビューからしばらくの間は全てアナログで制作していました。着色には透明水彩絵の具、カラーインク、コピックなど、様々な画材を使い分けていました。2016年頃からはアナログと並行して、CLIP STUDIO PAINTなどのデジタルツールも活用し、イラストや漫画原稿の制作に取り組んでいます。

キャラクターネーミングにも特徴が見られます。『紳士同盟†』の「小牧」「春日」や、『神風怪盗ジャンヌ』の「名古屋」など、出身地である愛知県の地名を名前や苗字に用いることが少なくありません。また、作品ごとに苗字に特定のルールを設けている場合があります。例えば、『神風怪盗ジャンヌ』では漢字3文字、『紳士同盟†』では必ず「宮」という字が含まれる、『時空異邦人KYOKO』では一部のキャラクターを除いて色の名前が入る、といった特徴があります。

自身の創作活動のルーツとして、宮崎駿監督の「風の谷のナウシカ」を挙げています。また、水沢めぐみ氏、谷川史子氏、楠桂氏、貞本義行氏らの作品や、『ときめきトゥナイト』、『星の瞳のシルエット』といった過去の少女漫画を好きな作品として挙げています。

人物・交友・その他の活動

多彩な趣味を持ち、特にハロー!プロジェクトのファンとして知られています。Berryz工房やモーニング娘。を特に好み、ライブにも熱心に通っています。ラジオDJの小森まなみ氏の大ファンでもあり、小森氏の番組や、自身のアニメ出演作で共演した声優、myco氏（『満月をさがして』神山満月役）や桑島法子氏（『神風怪盗ジャンヌ』日下部まろん役）のラジオ番組にゲストとして登場することもあります。myco氏とは、アニメソングを歌うライブイベント「満月禁猟区」を定期的に開催しています。

芸能界にも多くの友人がおり、中川翔子氏、椿姫彩菜氏、megrock氏らと親交が深いことで知られています。特に中川翔子氏とは、『りぼん』誌上での対談や、プライベートでの交流が深く、お互いのブログでその様子を紹介し合うほどです。中川氏の著書には、2人の出会いを描いたショートストーリーを寄稿しています。また、中野風女シスターズ（現：風男塾）の喜屋武ちあき氏とも友人であり、グループ内に種村作品のファンがいた縁から親しくなり、彼女たちのライブにも足を運ぶようになりました。風男塾内での推しメンは赤園虎次郎とのこと。

メディアへの露出、特に顔出しでの出演は基本的に控えめですが、自身のブログ「苺＊いちえ」や友人の中川翔子氏らのブログで素顔が公開されることもあります。一方で、声を使った活動には積極的で、自身のネットラジオ以外にも、『満月をさがして』関連での歌唱（主人公・フルムーン名義）やタイピングゲームでの台詞読み上げ、アニメ『神風怪盗ジャンヌ』や『満月をさがして』での看護士役、『紳士同盟†』ドラマCDでのまおら役など、声優としての出演経験もあります。

同人活動

漫画家としての商業活動に加え、同人活動も精力的に行っています。同人音楽家としては、サークル名「目黒帝国」で活動し、作詞・歌唱（ボーカル）を担当したCDを制作・販売しています。デビュー15周年記念同人CD「純愛天使」などが発表されています。また、同人作家としても活動しており、東日本大震災の被災者支援のために企画されたチャリティ同人誌「pray for Japan」では、発起人であるこげどんぼ*氏とともに表紙イラストを担当し、作品も寄稿しました。

多様なメディアでの展開

漫画連載以外にも、多岐にわたる分野でその才能を発揮しています。ゲーム「アイドリッシュセブン」シリーズや「Alice Closet」ではキャラクター原案を担当し、好評を得ています。小説の挿絵や表紙絵、様々なテーマのアンソロジーへの寄稿、アニメ作品のエンドカードイラスト、企業広告（資生堂TSUBAKIウェブCM）のイラスト、キャラクターデザインなど、活動範囲は広範です。海外では、ディズニー映画『アナと雪の女王2』のコミカライズである『Disney Frozen 2: The Manga』の作画を手掛けました。

デビュー以来、一貫して繊細かつ華やかな独自の絵柄で多くの読者を魅了し続け、漫画家としての本業に加え、キャラクターデザインやイラストレーション、さらには音楽活動や声優など、幅広い分野で精力的な活動を展開しています。

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