稲佐の浜

概要

稲佐の浜は、島根県出雲市大社町に位置する、南北約10kmにわたる弓状の砂浜海岸です。その歴史は古く、『古事記』には「伊那佐之小濱」、『日本書紀』には「五十田狭の小汀」として記されており、国譲り神話の舞台として知られています。

また、稲佐の浜から南に続く海岸線は「薗の長浜」と呼ばれ、出雲国風土記には、島根半島と佐比売山（三瓶山）を結ぶ綱として記述されています。この地は、神話の世界と現実世界が交錯する場所として、古くから人々の信仰を集めてきました。

夏季には海水浴を楽しむ人々で賑わいますが、過去には水難事故が多発しています。特に、波打ち際付近には凹凸地形が多く、離岸流が発生しやすいことが判明しており、2024年には境海上保安部が遊泳禁止区域での遊泳をしないよう注意喚起を行いました。美しい景観とは裏腹に、注意が必要な場所でもあります。

行事

稲佐の浜は、出雲大社の重要な神事が行われる場所でもあります。毎年8月14日には神幸祭、旧暦10月10日には神迎祭が執り行われます。これらの祭りは、稲佐の浜が神聖な場所であることを強く示しています。

周辺

稲佐の浜の周辺には、神話にまつわる場所や奇岩が点在しており、訪れる人々を魅了しています。

弁天島: 稲佐の浜の中心に位置する小島です。かつては弁才天が祀られていましたが、現在は豊玉毘古命が祀られています。
塩掻島: 神幸祭において、この島で塩を汲み、掻いた塩が出雲大社に供えられます。
屏風岩: 大国主神と建御雷神が国譲りの協議を行ったとされる岩です。岩陰は、神話の重要な場面を彷彿とさせます。
つぶて岩: 国譲りの際、建御名方神と建御雷神が力比べをした際に投げ合った岩が積み重なったものとされています。神々の力が感じられる場所です。

脚注

稲佐の浜は、「日本の渚百選」にも選ばれており、その美しい景観は広く認められています。また、日本神話や日御碕など、周辺地域と関連付けながら歴史や文化を学ぶことができます。

関連項目

日本の渚百選
日本神話
日御碕

外部リンク

稲佐の浜　稲佐の浜海水浴場　島根県観光連盟 しまね観光ナビ
稲佐の浜　出雲観光協会 出雲観光ガイド
稲佐の浜　島根まるごとミュージアム

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