稲垣光隆

稲垣光隆（いながき みつたか）は、1957年8月5日に生まれ、日本の財務官僚として活躍した人物です。三重県で生まれ、愛知県立旭丘高等学校を経て、1980年に東京大学法学部を卒業しました。同年、大蔵省（現財務省）に入省し、キャリアをスタートさせました。

入省後、稲垣氏は大臣官房文書課を皮切りに、主計局総務課の調査主任、企画係長などを歴任しました。その後、白河税務署長、日本開発銀行副調査役などを経て、大蔵省国際金融局為替資金課長補佐、主計局主計官補佐などを務めました。これらの職務を通じて、予算編成や税制、国際金融など幅広い分野での経験を積みました。

2000年代に入ると、財務省主税局調査課長、税制第三課長、主計局主計官（農林水産係担当）など、財務省内の要職を歴任しました。2006年には主計局総務課長に就任し、2009年には主計局次長（次席）、翌年には筆頭次長へと昇進しました。2011年には財務省会計センター所長兼財務総合政策研究所長を務め、組織全体の運営にも携わりました。

2012年8月には財務省関税局長に就任し、関税行政を統括しました。そして、2013年4月には国税庁長官に就任し、日本の税務行政のトップとしてその手腕を発揮しました。

国税庁長官退任後は、三井住友信託銀行株式会社顧問、TMI総合法律事務所顧問、株式会社商工組合中央金庫代表取締役副社長など、民間企業での役職を歴任しました。また、岩田合同法律事務所特別顧問、東京海上日動火災保険株式会社顧問、公益財団法人金融情報システムセンター理事長も務め、幅広い分野で活躍しました。2023年には、コナミグループ株式会社上席顧問に就任しています。

稲垣氏は、大蔵省入省時から事務次官候補として有力視されていましたが、最終的には国税庁長官を最後に退官しました。日本銀行への出向経験や、主計局での予算編成における数々の要職歴など、そのキャリアは多岐に渡ります。

また、元大蔵事務次官の齋藤次郎氏は義父にあたります。

稲垣氏の経歴は、日本の官僚制度や経済政策の変遷を理解する上で重要な手がかりとなります。財務省における予算編成の中枢を担い、税務行政のトップを務めた経験は、現代の日本経済を考える上で貴重な視点を提供しています。

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