稲垣吉彦

稲垣吉彦について

稲垣吉彦（いながき よしひこ、1930年9月10日 - 2013年4月8日）は、日本の言語学者、評論家、アナウンサーとして多岐にわたる分野で活躍した人物です。神奈川県に生まれ、本名は文男（ふみお）。

学歴と職歴

慶應義塾大学経済学部を卒業後、NHKに入局しアナウンサーとしてキャリアをスタートさせました。その後、NHK放送文化研究所主任研究員を経て、文教大学情報学部教授に就任。2001年に退職するまで、教育と研究に尽力しました。

研究と著作

稲垣氏は、特に流行語に関する研究で知られており、多くの著作を出版しています。1971年から2013年まで、長年にわたり『現代用語の基礎知識』の執筆に携わり、言葉の変遷や社会現象を捉える視点で多くの読者に影響を与えました。著書には、言葉の持つ力や日本語の魅力を考察したものが多数あります。

主な著書

『気になることば』 三省堂新書 1972
『ことばの情報歳時記』 創拓社 1979（中公文庫版は『ことばの四季報』）
『現代世相語』オンタイム出版創拓社 1980
『「自分」を創る技術 知的インプットのための18章』PHP研究所 1981
『榾火は消えて 農民群像の記録』作品社 1981
『ことばの輪』 文芸春秋 1983
『最近日本語事情』 大修館書店 1983（河出文庫版は『最近日本語歳時記』）
『人を動かす話術の研究』 PHP研究所 1984（文庫版は『自己表現の技術 ひとを動かすものは何か』）
『入門マスコミ言語論』 大修館書店 1987
『発想戦略 頭を柔らかくして心を強くする方法』 大和出版 1988
『流行語の昭和史』 読売新聞社 1989
『絶対内定の作文・小論文 大学生の就職活動完全対策』 メディアファクトリー 1996
『絶対内定の作文・小論文 マスコミ完全対策』 メディアファクトリー 1998
『平成・新語×流行語小辞典』 講談社現代新書 1999
『いつまでも忘れたくない日本語』 編著 自由国民社 2002
『言葉に思いを込める技術 先達たちはどんな言葉で人の心をつかんだか』 自由国民社 2003

これらの著作を通して、言葉が持つ意味や力を多角的に分析し、社会現象を捉える視点を提供しました。

死去

2013年4月8日、肺炎のため82歳で逝去。その生涯を通じて、言葉の研究と教育に情熱を注ぎ、多くの人々に影響を与えました。


稲垣吉彦は、言語学、評論、アナウンスメントという多様な分野で活躍し、日本の言葉に対する深い洞察力と、社会への貢献が評価される人物です。

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