稲継裕昭

稲継 裕昭（いなつぐ ひろあき）

稲継裕昭は、西日本を代表する行政学者の一人であり、早稲田大学の政治経済学術院で教授を務めています。彼は1958年、大阪府高槻市に生まれました。学業は大阪府立茨木高等学校から始まり、1983年に京都大学法学部を卒業しました。卒業後は、大阪市役所での職務を経て、1995年には京都大学の大学院法学研究科を修了し、法学博士の学位を取得しました。

大学卒業後、稲継氏は大阪市役所に就職し、総務局や人事委員会事務局、市長室などで多岐にわたる業務に従事しました。その後、彼は学者としての道を進むことになります。1996年からは姫路獨協大学法学部助教授としてキャリアをスタートし、大阪市立大学法学部でも助教授職を歴任、さらに教授としての地位まで昇進しました。2007年からは早稲田大学に移り、現在は同大学の政治経済学術院で教授として活躍しています。

彼の職業経歴において顕著なのは、多くの教育機関での客員研究員としての活動です。1998年にはロンドン大学政治経済学術院、2013年にはカリフォルニア大学バークレー校でそれぞれ客員研究員として過ごしました。また、その後も放送大学の客員教授として教育に貢献しており、公共政策や行政に関する多くのアドバイザーとしても活動しています。特に、2023年9月1日からは新型インフルエンザ等対策推進会議の委員にも任命されました。

彼の専門分野は多岐にわたりますが、主に行政学、人事行政学、地方自治論、公共経営論といった領域で業績を挙げています。また、数々の著書を有しており、特に公務員制度や自治体ガバナンスに関する著作が評価されています。著書には『日本の官僚人事システム』や『公務員給与序説』などがあり、これらの作品は日本の官僚制度や地方自治体の運営に関する貴重な視点を提供しています。

また、彼は専門家としての知見を広く一般に伝える努力もしており、大規模災害に対する自治体の対応や、地方自治体の人事評価システムに関する書籍など、実務に役立つ情報をも提供しています。更に行政ビジネスに関する共著もあり、今後の行政の方向性を探求する上で重要な資料となっています。

稲継裕昭の研究は、日本の行政制度や地方自治の改善に寄与しており、彼の提言は現場の実践にも広く影響を与えています。彼の功績を通じて、公共サービスの質の向上が期待されています。行政学の分野における彼のフロンティア精神は、これからの日本における行政改革においてますます重要になるでしょう。

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