稲美町立稲美中学校

稲美町立稲美中学校

兵庫県加古郡稲美町岡にある公立中学校です。兵庫県の南東部、起伏の少ない稲美野台地に位置する稲美町の中心近くにあり、町域全体の約6割を超える広範囲を通学区域としています。この地域は、北を三木市、南を明石市や播磨町、西を加古川市、東を神戸市に囲まれており、自然豊かな農村部と都市的な要素が混在する特徴を持っています。

校区内は、地域によって異なる様相を呈しています。北部に位置する母里小学校区は、水田や畑が広がるのどかな農村地帯で、米やキャベツ、トマト、メロンなどの栽培が盛んで、多くの専業農家が農業を営んでいます。一方、南側の天満東小学校区および天満南小学校区は、近隣の播磨工業地域に隣接していることもあり、工場が集まるエリアがあるとともに、新たな住宅開発も進み、次第に宅地化が進展しています。

地域住民は学校活動に協力的であり、生徒たちが地域社会の一員として働く体験をする「トライやるウィーク」事業が平成10年度（1998年度）に導入されて以来、積極的に受け入れられています。生徒たちの活動場所や、指導にあたるボランティアの方々の数は年々増加しており、地域全体で子どもたちの成長を支える温かい環境が築かれています。

近年、本校の陸上競技部は目覚ましい活躍を見せています。特に女子駅伝チームは、平成25年（2013年）12月15日開催の第21回全国中学校駅伝大会に初出場し、全国11位という成績を収めました。さらに、令和3年（2021年）12月19日の第29回大会では8年ぶり2度目の出場で悲願の初優勝を果たし、続く令和4年（2022年）12月18日の第30回大会では見事に大会連覇を成し遂げ、全国にその名を轟かせています。

沿革

本校の歴史は、昭和50年（1975年）に始まります。当時存在した旧稲美町立天満中学校と旧稲美町立母里中学校が統合され、新たな稲美町立稲美中学校として開校しました。開校時の生徒数は858名、22学級（特別支援学級1を含む）でした。また、加古川市と稲美町が運営していた学校組合立山手中学校の校区のうち、旧加古小学校区域の生徒が段階的に本校へ移管されました。

昭和52年（1977年）には、加古川市との学校組合が解消され、これにより稲美町の全域が本校の校区となり、名実ともに稲美町の中学校として歩みを進めることとなりました。

その後、地域の人口増加に伴い生徒数は増え続け、昭和59年（1984年）には過去最多となる1659名の生徒が在籍し、学級数は39学級に達しました。生徒数の増加に対応するため、昭和60年（1985年）には校区の西側の一部（旧加古小学校区と旧天満小学校区の一部）を分割し、稲美町立稲美北中学校が新設開校され、これに伴う校区変更が行われました。

部活動の歴史的な出来事としては、平成25年（2013年）12月15日に陸上競技部女子駅伝チームが全国中学校駅伝大会に初出場を果たしました。平成27年（2015年）には、食育に関する取り組みが評価され、スーパー食育スクール事業（SSS事業）の指定を受けました。そして、近年では令和3年（2021年）12月19日に全国中学校駅伝大会女子の部で初優勝、翌令和4年（2022年）12月18日には同大会で連覇という快挙を達成しました。

教育方針

学校が目指す教育目標は「豊かな心を持ち、自立する生徒の育成」です。この目標の実現を目指し、以下のような生徒像、教師像、学校像を掲げ、日々の教育活動に取り組んでいます。

目指す生徒像
自分や他者の命を大切にし、物事の善悪を正しく判断できる生徒
将来に対する夢や高い志を持ち、目標に向かって主体的に努力できる生徒
飾り気のない素直な心と周りの人への思いやりを持ち、困難にも粘り強く立ち向かえる生徒

目指す教師像
常に自らの豊かな心と人間性を高める努力を続ける教師
教育者としての強い使命感と高い倫理観を持ち、生徒一人ひとりの良い点や無限の可能性を見つけ、引き出すことができる教師
授業や生徒指導、その他様々な分野において、研修や自己研鑽に励み、専門性や指導力の向上に努める教師

目指す学校像
生徒と教師、そして生徒同士が互いに学び合い、困っている時には支え合い、共に成長し高め合える活気に満ちた学校
生徒自身が考え、行動できる自己指導能力が高く、学校のルールやきまりが守られるとともに、生徒間および生徒と教師間の良好な人間関係（リレーション）が大切にされる学校
保護者や地域社会との連絡・連携がスムーズに行われ、学校全体が地域から厚い信頼を得られる学校

部活動

生徒たちは運動部と文化部の様々な活動に積極的に参加し、技術や技能の習得、体力や創造性の向上に励んでいます。

運動部
陸上競技部
野球部
サッカー部
ソフトテニス部
卓球部
バスケットボール部
バレーボール部

文化部
吹奏楽部
文化芸術部

特に運動部の陸上競技部は輝かしい実績を残しており、女子駅伝チームは全国中学校駅伝大会において、平成25年（2013年）の初出場で11位、令和3年（2021年）の初優勝、令和4年（2022年）の連覇という快挙を成し遂げています。

通学区域

主に、以下の稲美町立小学校の校区から多くの生徒が進学してきます。

稲美町立母里小学校
稲美町立天満東小学校
稲美町立天満南小学校

交通アクセス

車を利用する場合、第二神明道路の明石西ランプから北方面へ約10分程度で到着します。
公共交通機関を利用する場合、JR山陽本線土山駅より神姫バス「上新田北口行」に乗車し、「稲美中央公園」バス停で下車後、南へ徒歩数分です。

主な出身者

上田 美和（漫画家）
安井 拓也（サッカー選手）

周辺施設

学校の周囲には、公共施設や教育機関、自然を満喫できる公園などが点在しています。

兵庫県立いなみ野特別支援学校
稲美町立天満東小学校、稲美町立天満東幼稚園
いなみ文化の森（稲美町立図書館、文化会館コスモホール、ふれあい交流館を含む複合施設）
いなみの体育センター、いなみアクアプラザ（温水プール）
稲美中央公園、いなみ野水辺の里公園
稲美中央病院
加古川市消防本部稲美分署 など

隣接する学校の校区

本校の校区は、同じ稲美町立の稲美北中学校のほか、近隣の加古川市、明石市、神戸市、三木市に所在する中学校の校区と隣接しています。

稲美町立稲美北中学校
加古川市立平岡中学校
明石市立魚住中学校
神戸市立岩岡中学校
神戸市立神出中学校
三木市立別所中学校
加古川市立山手中学校

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