稲葉伸道

稲葉伸道 - 日本中世史の権威

稲葉伸道（いなば のぶみち）は1950年4月30日に岐阜県大垣市で生まれた、日本の著名な歴史学者である。主に日本中世史を専門としており、その研究は寺社組織に関する考察に多くの焦点を当てている。名古屋大学名誉教授として多くの学生や研究者に影響を与え続けている。

学歴と経歴

1973年に早稲田大学教育学部の社会科地理歴史専修を卒業後、1978年には名古屋大学大学院の文学研究科で史学地理学専攻の博士課程を満期退学した。その後、日本学術振興会の奨励研究員として研究活動を続ける。この期間中、彼は日本中世史の基礎を固め、歴史研究の道を歩む決意を新たにした。1980年からは名古屋大学文学部に助教授として勤務を開始し、1987年には助教授、1997年からは教授として活躍。2000年には名古屋大学大学院文学研究科の教授に就任し、以降、大学の学問的発展に貢献している。

研究の特徴

稲葉の研究は主に日本中世の寺社組織や地域社会の権力構造に関するもので、特に寺社の役割や機能について深く掘り下げている。彼の著作は、学術的な厳密さを持ちながらも一般の読者にとっても理解しやすい内容となっている。また、彼は多くの論文や書籍の執筆を通じて、歴史学界における重要な存在となっており、彼の研究成果は後の世代にも多大な影響を与えている。

主な著書と編著

稲葉は数多くの著作を残しており、それらは日本中世史を学ぶ上での重要な資料となっている。特に、1997年に岩波書店から出版された『中世寺院の権力構造』は彼の代表作の一つで、中世寺院の社会的役割や権力のあり方を詳細に分析している。

さらに、2017年には『中世寺社と国家・地域・史料』を編著し、地域と国家の関係、及び寺社の史料に関する多角的な視点を提供する。また、2019年には『日本中世の王朝・幕府と寺社』を発表し、歴史的な観点から王朝と幕府と寺社の関係を探求した。最近では2023年に『日本中世の国制と社会』を出版し、ISBN 9784827313451として新たな知見を提供している。

学界での役割

稲葉はまた、網野善彦氏が編集を担当した『著作集』の編集委員としても活躍し、学界の発展に寄与している。このように、稲葉伸道は日本の歴史学において著名な地位を築いており、彼の研究は多くの後進に影響を与え続けている。大学での教え子たちも、彼の思想を受け継ぎ、歴史学の分野で活躍している。

日本中世史の研究において、稲葉伸道はその知識と情熱をもって、今後もさらなる貢献を続けていくことだろう。

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