稲葉明徳

稲葉 明徳（いなば あきのり）のプロフィール

稲葉明徳は1961年1月7日生まれの日本の篳篥奏者、和楽器奏者、作曲家として国際的に知られています。東京都大田区で生まれ育った彼は、幼少期から篠笛や和太鼓、篳篥、ドラムに親しみ、音楽の基礎を築きました。11歳の時に宮内庁の東儀兼彦に師事し、彼の指導の下で雅楽や西洋音楽の基礎を学びました。

1978年には日本雅楽会に入会し、翌年には東京楽所に所属。国立劇場を拠点に、伝統的な雅楽の公演や武満徹の「秋庭歌」などの音楽公演に参加し、そこで多くの経験を積み重ねました。1994年に多忠麿が亡くなった後、彼は1996年に独立し、以降は日本音楽集団に所属しつつも、幅広い音楽スタイルを探求してきました。

彼は篳篥にとどまらず、世界中の多様な楽器にも関心を持ち、太平簫（テピョンソ）、葫蘆絲（フルス）、巴烏（バーウー）などを研究しました。1998年と1999年には北京の中国音楽学院と中央音楽学院で短期留学し、胡志厚の指導のもと、管子や哨吶を習得しました。

舞台と映画での活躍

稲葉は多くの舞台や映画作品に音楽家として参加しており、その例としては、劉宏軍の「天平楽府」、野村万之丞の「真伎楽／大田楽」、デーモン閣下の「邦楽維新」などがあります。また『夢』を手掛けた黒澤明監督や、NHKの大河ドラマシリーズなどでも映像作品の音楽に関与しています。特に大河ドラマでは、『太平記』『義経』『平清盛』『八重の桜』など数々の作品に参加し、雅楽の指導や音楽監修を通じてその知識と技術を披露しています。

コンテンツ制作とスタジオミュージシャン

稲葉の音楽活動は、演奏だけに留まらず、作曲や音楽制作の仕事にも及んでいます。NHKの番組やDVD制作にも多くの楽曲を提供しており、近年では『光る君へ』の雅楽指導など、新たな世代への伝承にも力を注いでいます。さらに、スタジオミュージシャンとしても活動し、『和楽器Disney Music Selection』のプロデューサーを務めるなど、多方面にわたる音楽シーンでの影響を持っています。

コンサートと国際活動

彼の活動は国内だけでなく、国際的にも評価されており、ベルリン・フィルハーモニック・ホールでの演奏や、アメリカなどの海外公演も行っています。様々なアーティストとのコラボレーションも特徴で、ゲーム音楽やアニメ音楽においても活躍しており、幅広いジャンルにおいてその才能を発揮しています。

結び

稲葉明徳の音楽的キャリアは、日本の伝統音楽を守りつつも、革新に挑戦する姿勢を体現しています。彼の音楽は、雅楽だけでなく、現代の音楽シーンや文化にも新しい風を吹き込んでおり、今後の活動からも目が離せません。

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