稲葉賀恵

稲葉賀惠（いなば よしえ）

稲葉賀惠は、1939年12月18日に東京で生まれた日本のファッションデザイナーであり、モデルでもあります。本名は稲葉佳枝で、彼女は日本のファッション界で多大なる影響を与えた人物の一人です。彼女の作品には、洗練された美しさと実用性が融合したものが多く、多くのファッション愛好家に支持されています。

来歴

稲葉は、八重洲で生まれ、鎌倉と横浜で育ちました。彼女の家族は、横浜で「稲葉商会」というタイプライターの取り扱い会社を営んでおり、こうしたバックグラウンドが彼女のクリエイティビティにも影響を与えました。1958年に横浜雙葉学園を卒業した後、1960年には文化学院の美術科を卒業します。この学院では多くの著名デザイナーたちと同級生で、互いに刺激し合っていました。

稲葉は1984年に自身のアトリエを開いた後、1970年に菊池武夫や大楠裕二とともにファッションブランド「ビギ」を設立。アトリエはその後麻布十番に移転し、彼女のキャリアを大きく広げる足掛かりとなります。1972年には「モガ」というブランドを発表し、1981年には自身の名を冠した「ヨシエ・イナバ」を立ち上げました。この際、彼女は日本ファッション・エディターズ・クラブ賞を受賞し、その腕前が広く認められることとなります。

その後、1984年には「ヨシエ・イナバ・パルファム」を発表し、1988年には快適さをテーマにしたカジュアルウエアブランド「レキップ・ヨシエ・イナバ」を展開しました。2025年の2月末に、彼女のブランドとしての「ヨシエ・イナバ」はクローズすることが発表されています。

人物

稲葉はファッションデザイナーとしてだけでなく、様々な企業の制服デザインでも多大な実績があります。日本航空や日本アジア航空、東急電鉄など、多くの企業の制服を手掛け、さらにはジュエリーデザインや結城紬のアドバイザーなどとしても活動してきました。その一方で、1963年からは雑誌『ミセス』の専属モデルとしても顔を見せ、理想のライフスタイルを体現する存在として注目を集めました。しかし、2012年には契約解除に伴う制服設計図流出問題で日本航空を訴えるなど、波乱の経歴も持っています。

彼女はファッションデザイナーの菊池武夫と結婚し、一男を授かりましたが、やがて離婚。その際、占い師の助言を受けて名前を「賀惠」に改め、これが以後彼女の活動名となります。

ブランド

稲葉賀惠が手掛けたブランドには以下のようなものがあります：

• - ヨシエ・イナバ
• - レキップ ヨシエ・イナバ
• - ヨシエ・イナバ・パルファム
• - クシュカ（CUSUKA）
• - ビギ
• - モガ
• - ユニフォーム・制服（日本航空 客室乗務員、東急電鉄など）

書籍

稲葉は著書もあり、特に以下の2冊が知られています：

• - 『マイ・フェイヴァリット きものに託して』（2014年、集英社インターナショナル）
• - 『yoshie inaba』（2024年、講談社）

このように、稲葉賀惠は多様な分野での活動を通じて、日本のファッション界において確固たる地位を築き上げてきました。彼女のクリエイティブな表現は、今後も多くの人々に影響を与えることでしょう。

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