日本アジア航空

日本アジア航空株式会社について

日本アジア航空株式会社（Japan Asia Airways Co., Ltd.、略称：JAA）は、1975年から2008年まで運航していた日本の航空会社です。この会社は日本航空の完全子会社として設立され、中華民国（台湾）との間の路線を主に運行していました。1985年に設立された同航空会社は、東京国際空港（羽田）を拠点にし、国際航空運送協会（IATA）の航空会社コードはEGでしたが、IATAには加盟していませんでした。台湾では「日亜航」という略称で知られていました。

設立の背景と運航開始

日本アジア航空の設立は、1972年の日中共同声明の影響を受けた結果です。この声明により、日本は中華人民共和国と国交を結ぶ一方で、台湾との外交関係を断絶しました。その後、日本航空は台湾便の運航を中止せざるを得なくなり、そのため新たに設立されたのが日本アジア航空でした。この航空会社は、1975年8月8日に設立され、同年9月15日には日本航空からリースしたダグラスDC-8型機によって、羽田と台北の台北松山空港、および高雄国際空港間の運航を開始しました。1978年には新東京国際空港（現在の成田国際空港）に本拠地を移しました。

会社の成長と運航路線

日本アジア航空は、設立以降、台湾への便を運営し、さらに両国間の輸送量の増加に伴い、マクドネル・ダグラスDC-10型機やボーイング747型機の導入を行いました。1990年代には、香港やインドネシア、グアムへの路線も開設し、日本国内では関西国際空港や名古屋空港発の便も提供していました。1992年には部分的な増資を行い、出資比率が90.5%に減少しましたが、2004年には再び日本航空の完全子会社となりました。

統合と消滅

2007年には、日本と台湾の交流協会が直接運航を認めたことが契機となり、2008年3月31日には日本航空インターナショナルに統合されました。これにより、日本アジア航空の運航は終了し、その権利や機材はすべて日本航空インターナショナルに移管されました。日本アジア航空の32年間にわたる運航はこのようにして幕を下ろしました。

使用機体

日本アジア航空では、様々な機材が使用されてきました。747-100/-200B型機や747-300型機、ボーイング767-300型機、ダグラスDC-8型機、マクドネル・ダグラスDC-10型機など、多岐にわたる機材が運航されていました。特に747シリーズは日本アジア航空の主力機として知られており、一部には「トロピカルジャンボ」や「スカイバス」といった愛称がついていました。

航空会社の塗装

日本アジア航空の塗装は、設立当初から日本航空を模したデザインが特徴でした。白地に赤と紺のラインが施された基本デザインに加え、垂直尾翼のマークは赤い円に3本の白線が施されたものでした。搭乗機材には日本航空のカラーリングを施すこともありましたが、運航機材には独自のロゴを使用していました。

広告と知名度

日本アジア航空は、その広告戦略によっても知られています。過去には浜美枝や杉本彩、金城武、志村けんといった著名人がCMに出演し、国内外での認知度を高めました。2006年以降、オセロが新たなイメージキャラクターとして起用され、新鮮な印象を与える広告を展開しました。

日本アジア航空株式会社は、その設立から日本と台湾を結ぶ航空路線を担ってきましたが、歴史的な背景や経済的な環境の変化により、沈黙を保ったまま幕を閉じました。

もう一度検索