麻布十番

麻布十番の概要

麻布十番（あざぶじゅうばん）は、東京都港区にある町名で、現行行政町名は麻布十番一丁目から四丁目までです。郵便番号は106-0045（芝局管区）です。この地は、古川へ続く低地の一部で、高級住宅地の多い麻布地区にありながらも、下町の雰囲気を感じることができます。大規模な商業施設が少なく、ブティックや飲食店が入居する雑居ビルや個人経営の店が立ち並び、庶民的な住宅地が混在した地域となっているのが特徴です。

麻布十番という名前自体は1962年に設立されました。それ以前は麻布新綱町や麻布綱代町などいくつかの町名が統合されて形成されたものです。「十番」という名称は、江戸時代の地名から復活されたもので、十番組屋敷や十番橋が由来となっています。

地域の中心部、一の橋から仙台坂への通りには商店街が広がっており、歴史的には1949年に開湯した「麻布十番温泉」などもありました。麻布十番には長らく鉄道の駅がありませんでしたが、1956年に日比谷線の建設計画が持ち上がると、商店街の住民たちが「銀座に客をとられる」と反発し、結果として日比谷線は六本木経由で開通することになりました。このため、麻布十番は「陸の孤島」とも呼ばれていましたが、バス路線が多数通り、交通の便は良好です。

1984年にはディスコがオープンし、バブル期には更に人気を集めました。1990年代初頭には、地元の富裕層や近隣の大学の学生たちが訪れる地域として知られるようになりました。2000年には麻布十番駅が開設され、南北線が通るようになり、その後大江戸線も開通しました。さらに近年では、六本木ヒルズの開業により、駅周辺の環境も大きく変化しています。麻布十番納涼祭りも、この時期から多くの人々が訪れる行事となり、現代における地域の大きなイベントの一つとなりました。

歴史

麻布十番の地はもともと低湿地帯でしたが、江戸時代には仙台藩の江戸屋敷が存在していました。しかし、その湿度の高さが問題となり、高台部に藩邸が残されていました。明治時代には河川改修等により開拓が進み、商業地区へと成長しました。1962年の町名再編によって正式に麻布十番一丁目から三丁目が設立され、1978年には住居表示が実施されて現在の町名が確立されました。

地名の由来

麻布十番という名称の由来は、はっきりとは分かっていない部分もありますが、河川改修の工区番号に由来するという説と、開拓地の番号が関係しているとも言われています。

現在の状況

2019年の時点での世帯数や人口のデータも用意されており、地域住民の生活も多様性に富んでいます。また、町には多くの商業施設が存在し、老舗の鯛焼き屋やショコラパティスリーなどもあり、地元の人々や観光客に親しまれています。

教育と施設

地域ごとに指定された学区があり、小中学校が設けられています。また、麻布十番駅周辺には多くの交通機関が整備されており、アクセスも良好です。

麻布十番は、商業と住宅が共存する地域として、歴史的にも豊かで魅力的なエリアです。

もう一度検索