稲野町

稲野町の概要

稲野町（いなのちょう）は、日本の兵庫県伊丹市に属する町名で、伊丹市の南部に位置しています。現行の行政地名は、稲野町一丁目から八丁目までの8つの区域で構成されており、住居表示は行われていません。2011年時点での人口は3,291人で、郵便番号は664-0861です。

地理

稲野町は、北側で御願塚、北東で南町、東側に尼崎市の塚口本町、南側は若菱町、西側は安堂寺町に接しており、北西の一点では南野と接しています。町内全体が伊丹市立の南小学校と南中学校の校区に含まれていますが、稲野町自体には伊丹市立稲野小学校は存在しておらず、その所在地は昆陽1丁目にあります。

地名の由来

稲野町の名称の起源は、旧川辺郡稲野村が阪急伊丹線の稲野駅の玄関口であったことに由来します。また、現在の区画の大部分は、阪急電鉄による伊丹線の開業に合わせて分譲された住宅地です。

地価

2014年1月1日時点の公示地価によれば、稲野町5丁目53番1の地点での住宅地の地価は22万円/m²となっています。これは、地域の住宅需要や地理的条件を反映した指標となっています。

歴史

稲野町は、もともとは旧摂津国川辺郡御願塚村の南部にあたる地域です。「猪名野」という名称は、もともと伊丹市南西部から尼崎市北部にかけて広い範囲を指していましたが、1889年に町村制が施行された際、御願塚村など10の村が合併し稲野村が誕生しました。稲野村は1940年に伊丹町と合併し伊丹市となりました。この時、「稲野」の地名は阪急伊丹線の駅名と旧村立稲野尋常小学校から改称された稲野国民学校（現在の伊丹市立稲野小学校）の名称にのみ残りました。しかし、1957年には御願塚の南部が稲野町の一部として再構成され、「稲野」という地名が復活しました。1959年には、南野の一部を編入し稲野町8丁目が設置されました。

交通

稲野町への交通アクセスは、主に鉄道と道路によって整備されています。鉄道では、阪急伊丹線の稲野駅が利用可能であり、近隣にはJR西日本の福知山線の猪名寺駅も徒歩圏内に位置しています。さらに、町の北側には兵庫県道336号線が走っており、西側には県道332号線が通っています。この県道332号線の近くには、伊丹市バスの稲野停留所が設置されています。稲野町8丁目のバス停も運行されており、御願塚バス停も利用可能です。ただし、阪急稲野駅周辺は道路が狭いためバスの出発地としては御願塚が最寄となります。

主要施設

地域の施設には、大手前大学いたみ稲野キャンパスや稲野公園、伊丹市立こばと保育所、伊丹市共同利用施設などがあります。さらに、稲野センターや稲野東センターがそれぞれ2丁目と4丁目にあり、伊丹稲野郵便局や池田泉州銀行の支店、洋服の青山の店舗が地域に点在しています。尼崎市塚口本町の一部には、グンゼタウンセンターつかしんにも接しています。便利な生活環境が整っていると言えるでしょう。

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