穂積大橋

穂積大橋

岐阜県を流れる長良川に架かる穂積大橋（ほづみおおはし）は、岐阜市と瑞穂市を結ぶ重要な交通路であり、国道21号、通称「岐大バイパス」の一部を形成しています。

建設とその経緯

穂積大橋を含む現在の岐大バイパスは、もともとは岐阜県が主体となって計画・推進していた県道事業でした。具体的には、岐阜県道岐阜・穂積・大垣線として整備が進められていたものです。しかし、1964年（昭和39年）にこの路線が国道の指定を受けることになり、事業主体は国へと移管されました。

穂積大橋も当初は県道事業における新しい長良川橋梁（新長良橋）として岐阜県によって計画・発注が進められていましたが、国道の移管に伴い、建設事業は岐阜国道事務所へと引き継がれることになります。このため、最初の設計が県道基準で行われていたことが後の課題となりました。

特に、先行して建設された上流側の橋梁は、県道基準に沿った比較的狭い幅員で設計・建設が進んでいました。国道として求められる交通容量を確保するためには、この幅員では不十分であったため、完成した狭い箱桁構造を補強し、当初計画の約2倍にあたる幅員へと拡幅するという手法が採用されました。

供用開始と拡幅の歴史

こうして改修を経て、まず上流側の橋が1965年（昭和40年）3月に供用を開始しました。この時点では、まだ上下線を合わせた片側1車線の対面通行でした。同年秋には、岐阜県内で国民体育大会が開催され、開通間もない穂積大橋は自転車ロードレースのコースの一部として、また天皇・皇后両陛下の行幸啓ルートとしても利用されています。

その後の交通量の増大に対応するため、1976年（昭和51年）12月には下流側に新たな橋（2期線）が建設され、供用が開始されました。これにより、穂積大橋は上下線各2車線の合計4車線となり、交通容量が大幅に強化されました。

さらに時代の経過とともに交通需要は増加の一途をたどり、さらなる渋滞緩和が求められるようになりました。これに応えるため、1997年（平成9年）からは車線増設工事が行われ、現在の上下線各3車線、合計6車線体制が整備されました。これにより、岐大バイパスの主要なボトルネックの一つが解消され、地域交通の円滑化に貢献しています。

概要

供用開始： 上流側 1965年（昭和40年）3月 / 下流側 1976年（昭和51年）12月
延長： 442.3メートル
全幅員： 28.6メートル
内訳幅員： 上流側 13.45メートル / 下流側 13.75メートル
橋梁形式： 三径間連続鋼合成箱桁橋が2連
所在地： 岐阜県岐阜市下奈良地先から瑞穂市穂積地先にわたる

穂積大橋は、その建設経緯に複雑な背景を持ちながらも、複数回の改築・拡幅を経て、今日の岐阜県における大動脈である国道21号の重要な構成要素として、地域経済や住民生活を支える役割を担っています。

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