穂高駅

穂高駅：安曇野観光の玄関口

穂高駅は、長野県安曇野市穂高に位置する東日本旅客鉄道（JR東日本）大糸線の駅です。駅番号は32番。安曇野観光の重要な拠点として、多くの観光客が利用しており、特急列車「あずさ」も停車する、同市内で最も利用者の多い駅となっています。

歴史：大正時代からの歴史を刻む駅

穂高駅の歴史は古く、1915年（大正4年）7月15日、信濃鉄道柏矢町駅～穂高駅間の開通とともに開業しました。当初は旅客と貨物の両方を扱う一般駅として発足し、その後、信濃鉄道の路線延伸や国有化、そしてJR東日本への移行など、幾多の歴史を歩んできました。1940年に完成した現駅舎は、木造建築の風格を今も残し、地域のシンボルとして親しまれています。

開業以来、輸送手段としての役割を果たしてきた穂高駅ですが、時代の変化とともに貨物取扱いの廃止（1980年）や荷物扱い廃止（1984年）を経て、現在では旅客輸送に特化。2017年にはみどりの窓口の営業を終了し、業務委託駅へと移行しています。近年は、ICカード「Suica」の利用開始（予定：2025年春以降）など、利便性向上に向けた取り組みも進められています。駅舎の改修工事なども行われ、老朽化対策やバリアフリー化も推進されています。

駅構造：島式ホームと特徴的な駅舎

駅舎は、穂高神社を模した社殿型をしており、隣接するアートギャラリー穂高と共に、独特の景観を形成しています。ホームは島式1面2線で、構内踏切と引き込み線も備えています。特急「あずさ」の停車に対応するため、ホームの一部は延長され、斜路も嵩上げされています。しかし、1番線は8両編成までしか対応できないため、「あずさ」の9両編成は2番線を使用します。普通列車は原則として上りが1番線、下りが2番線ですが、例外もあります。

駅業務は豊科駅の管理の下、ステーションビルMIDORIが受託。駅舎内には指定席券売機や自動販売機が設置されていますが、売店はありません。発車ベルも設置されており、大糸線では数少ない駅の一つです。1日1往復の始発・終着列車に加え、臨時列車の運行もあります。

利用状況と周辺環境：観光客でにぎわう駅周辺

2023年度の1日平均乗車人員は約1,085人。安曇野市の駅の中では最も多く、その利用状況は年々推移しています。駅周辺は観光地として整備されており、東口ロータリーにはレンタサイクルや観光案内板、土産物屋などが集まっています。西側は住宅地と公園へと整備され、かつてあった駐車場は2021年9月に廃止されました。

ロータリーの中央には、銀座の柳の子孫である柳の樹が植えられており、彫刻家小川大系によるブロンズ像『登頂』も設置されています。

アクセス：バス路線と周辺情報

穂高駅東側の駅前広場には「穂高駅前」停留所があり、安曇野市内や周辺地域へのバス路線が多数発着しています。定期バス、路線バス、空港連絡バス、高速バスなど、多様な交通手段が利用可能です。

隣の駅

柏矢町駅
有明駅

穂高駅は、安曇野観光の拠点として、歴史と現代が融合する魅力的な駅です。今後も、地域住民や観光客にとってなくてはならない存在として、その役割を果たしていくことでしょう。

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