積雪計

積雪計について

積雪計（せきせつけい）は、積もった雪の深さを測定するための装置です。この機器は、距離計の一種として構造されており、ポール上の測定セクションと雪面との間の距離を計ることで、正確に積雪の深さを算出します。主に、レーザーまたは超音波を用いた送信部と受信部を搭載しており、その技術により雪の深さを測定します。

測定方式

積雪の測定には主に二つの方式があります。一つは、雪面に向けて発信したレーザーや超音波が反射して戻るまでの時間を測定する方法です。もう一つは、送受信部と雪面上の反射点が形成する三角形の高さを求める方法です。精度が高いとされるのは、後者の方式でレーザーを用いる場合です。

ただし、測定時にはいくつかの問題が生じる可能性があります。例えば、枯葉や霜柱が影響を与え、誤った測定結果につながることがあります。また、積雪が0センチメートルの場合、積雪がない状態との判別が難しいという課題もあります。このような状況が発生した場合、気象庁の有人気象台では記録を修正することがあります。

測定精度の影響

超音波の場合、通常、センサーを地上高3〜5メートルに取り付けますが、強風の影響で反射点が変動し、±3センチメートル程度の誤差が生じることがあります。一方、レーザー式の場合も同様に、非固体の雪面反射点のずれや設置ポールの揺れが影響し、±1センチメートル程度の誤差が生じることがあります。特に野鳥がレーザーの照射点を掘ることで誤差が生じたり、晴天時の高い背景輝度によって計測ができないこともあります。

これらの測定から得られた積雪深を、毎正時に差を取りながら降雪量として積算すると、時に無降雪状態でも著しい変動が記録されることがあります。これは特に注意が必要で、場合によっては統計上の降雪量が十数センチメートルになることもあります。

日本における積雪計の規定

日本では、気象業務法および関連法令により、公共的な気象観測での雪の観測手段は「雪量計」と定められています。これには積雪計のほか、雪尺（実質的には物差し）の使用も含まれます。しかし、自動観測として実質的に利用されているのは積雪計のみで、使用する際にはすべて検定に合格した機器が求められます。気象観測用としての器差は、積雪が100センチメートル以下なら2センチ、100センチメートルを超えると、その深さの2%以内です。

導入に関する考慮点

超音波式積雪計を導入する場合、設置する高さが地上数メートルになることが多いため、音速補正用の温度計が必要です。この方式は比較的耐久性があるものの、計測精度において変動が生じやすいことに注意が必要です。また、レーザー式ではレーザー光源自体の寿命が問題となることがあり、常時観測する場合には5〜6年で寿命に達することがあります。観測の用途に応じて、照射間隔を工夫することが必要です。

さらに、レーザー光源はモジュール化されていますが、高額な修理費用が必要となるケースや、供給業者の生産中止によって修理が不可能になることもあります。日本の気象庁では、雪の多い地域や特定の気象官署、アメダス（自動気象観測システム）に積雪計を設置しており、超音波式またはレーザー式のいずれかを使用しています。

関連項目

• - 雨量計
• - 融雪
• - スキー場

外部リンク

• - 積雪計（気象庁）

このように、積雪計は気象観測に欠かせない重要なデバイスであり、その精度と信頼性が求められることは言うまでもありません。

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