空気投

空気投（くうきなげ）

空気投とは、柔道における特定の技名であり、他に「空気投げ」や「真空投（しんくうなげ）」、「真空投げ」という名称でも知られています。この技は特に三船久蔵によって開発された隅落が有名ですが、実は空気投と呼ばれる技には二つの異なる系譜が存在しています。

空気投の定義と発展

空気投という名称の技は、実際には1918年頃に石黒敬七によって開発された技に由来しています。この技は、それ以前までは浮落の一種として認識されており、当時の柔道界において独自のスタイルが確立されつつある時期に生まれました。その後、空気投は1920年に制定された隅落とほぼ同義と見なされるようになり、現在ではほとんどの柔道関係者が空気投と言えばこの隅落のことを指すと理解しています。

名称の制定と講道館の動き

1982年、講道館が「講道館柔道の投技の名称」の制定を行う過程において、空気投は新名称の候補に挙がりましたが、結局は隅落や浮落に含まれる形となり、公式には採用されませんでした。この経緯は、技の名称に関する柔道界の歴史的な変遷を物語っています。

空気投の特徴

空気投は、柔道における投技として、高度な技術を必要とします。特に、受け手がどのように地面に接触するかという点が重要であり、受け手は技の掛け手によって投げられる際に、前回りで受け身を取る必要があります。これにより、受け身をしながらも安全に技を受けることができるのです。

プロレスにおける空気投

興味深いことに、プロレスリングにも「空気投げ」と呼ばれる技が存在します。この技は、日本のミゼットプロレスにおいて特に有名で、リトル・フランキーなどのトップ選手たちが使用してきた決定的なフィニッシュ・ホールドとして認識されています。プロレスにおける空気投げでは、掛け手が両手を広げ、隅落の形を取りますが、柔道とは異なり、相手に触れずに投げ飛ばす点が大きな違いです。このように、空気投は柔道だけでなく、プロレスの世界でも独自の進化を遂げています。

技術の意義と現代における空気投

空気投はその発展を通じて、柔道の技術体系において重要な役割を果たしてきました。技の進化や名称の変遷は、柔道がどのように成長してきたのかを示す証拠でもあります。今後も空気投は柔道界において研鑽され続け、新たな世代の選手によって受け継がれていくことでしょう。

もう一度検索