立山科学グループ

富山県富山市に本社を構える立山科学グループは、電子部品や精密機械を中心とした製造および販売を主たる事業とする日本の企業グループです。創業以来、技術開発と事業領域の拡大に努め、国内外に拠点を展開しています。デジタル技術が社会の基盤となる現代において、同グループは経営資源の最適化とさらなる成長を目指し、重要な変革を実行しました。具体的には、2021年1月1日をもって、グループの中核であった立山科学工業株式会社の社名を立山科学株式会社に変更。これは、デジタル時代への適応と経営資源の集中を進めるという、同グループの強い意志を示すものです。

組織構成と中核事業

立山科学グループは、国内に10社、海外に4社の事業会社を擁する体制で運営されています。その中でも、グループの中核を担うのは以下の2社です。

立山科学株式会社: 各種抵抗器、温度センサー、映像関連機器、無線ユニット、RFID装置・システム製品など、幅広い電子部品や電子機器の製造・販売を手掛けています。
立山マシン株式会社: 産業用ロボットをはじめとする自動生産システムの開発・製造を専門としています。

この2社が連携し、電子産業からFA（ファクトリーオートメーション）分野まで、多岐にわたるニーズに応えています。

多様な事業領域

グループ全体の事業内容は非常に広範にわたります。電子部品分野では、チップ抵抗やサーミスタ、さらにはJAXA認定部品のような高い信頼性が求められる製品を提供しています。電子機器としては、特定小電力無線ユニットや温度測定記録装置などを製造・販売しています。また、RFID技術を活用したアクティブタグによる自動位置検出装置や、ハンズフリーでのセキュリティー認証装置など、先進的なシステム製品の開発も行っています。産業分野では、産業用自動機器や精密機械部品の製造販売、FAシステム向けのソフトウェア、制御技術、マイコンコンピュータソフトウェアの開発・設計も手掛けています。

製造業以外では、建築付帯設備の製造販売も行っており、さらに富山市内に所在するボウリング場「立山グランドボウル」を立山科学株式会社が直営で運営するなど、地域に根差した事業も展開しています。

企業文化とネットワーク

「科学は時に壮大なロマンチスト」というキャッチフレーズに象徴されるように、同グループは科学技術への探求心とユニークな視点を大切にしています。富山県内では、自然科学にちなんだユニークなローカルCMを積極的に展開し、地域での認知度向上に努めています。

事業所は、富山本社に加え、東京、大阪、名古屋に国内拠点を置いています。海外にも積極的な展開を進めており、マレーシア、ハンガリー、香港、タイに拠点を設けてグローバルな事業ネットワークを構築しています。

グループの歴史

立山科学グループの歴史は、1958年（昭和33年）5月に富山市で創業したことに始まります。その後、1970年（昭和45年）4月には立山マシン株式会社を設立し、自動機分野に進出しました。1980年代には、厚膜角型チップ抵抗器の生産（1982年）や実装機の受注生産（1983年）を開始し、主要製品の礎を築きました。1980年代後半から1990年代にかけては、マレーシアをはじめとする海外への進出や、関連会社の設立を積極的に行い、グループ体制を強化しました。特に、1994年（平成6年）の立山科学エレクトロニクスマレーシア株式会社設立や、1997年（平成9年）のハンガリー立山研究所設立は、グローバルな製造・開発体制構築における重要なステップとなりました。国内でも、東京、名古屋、大阪といった主要都市に営業拠点を設け、販売網を拡充しました。2000年代に入ると、社内分社化による組織再編や、中国・香港、タイへの進出を進め、グローバルなプレゼンスを高めました。2002年（平成14年）には家電リサイクルシステムの開発を手掛けるなど、新たな分野への挑戦も行っています。そして、2021年（令和3年）1月には、デジタル時代への対応を見据え、中核企業の社名を立山科学株式会社へと変更し、現在に至ります。

立山科学グループは、創業から半世紀以上にわたり、技術革新と事業拡大を続け、電子部品、精密機械、システム開発など、幅広い分野で社会に貢献しています。その歩みは、変化する時代の中で常に新しい技術と事業機会を追求してきた歴史と言えるでしょう。

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