立岩遺跡

立岩遺跡の概要

立岩遺跡（たていわいせき）は、福岡県飯塚市の立岩に位置する、弥生時代を中心とした重要な遺跡群です。特に知られているのは、立岩堀田遺跡であり、ここから出土した甕棺墓群の遺物は国の重要文化財に指定されています。この遺跡群は、遠賀川の上流である嘉穂盆地を見下ろす立岩丘陵に広がっており、多くの考古学的価値を持つ遺跡が点在しています。立岩遺跡は、九州地方における古代の文化と生活を知るための重要な手掛かりとなっています。

遺跡の発見と調査

1933年（昭和8年）の市営グランド造成工事を契機に、立岩運動場遺跡が発見され、その後九州帝国大学の考古学者である中山平次郎によって学会で紹介されました。この発見は、立岩遺跡の重要性を現代に伝えるきっかけとなりました。その後、1963年から1965年にかけての発掘調査では、立岩堀田遺跡において、甕棺墓が43基、貯蔵穴が26基検出され、数多くの文化財が出土しました。特に注目されるのは、甕棺の中から見つかった前漢時代の銅鏡や、武器に類する鉄製の剣や戈（か）、また装飾品としてのガラス製や南海産のゴホウラ貝製の遺物です。

文化財としての評価

立岩堀田遺跡は、その重要性から「立岩・堀田甕棺遺跡」として飯塚市の指定史跡に認定されています。また、出土した遺物は1977年に国の重要文化財として登録されており、地域の歴史的価値を保つための重要な役割を果たしています。さらに、立岩・焼ノ正遺跡から出土した銅戈の鋳型片や、立岩運動場遺跡に関する出土物件も飯塚市の指定有形文化財として認定され、現在は飯塚市歴史資料館に収蔵されています。

立岩遺跡の意義

立岩遺跡から出土した数々の遺物は、単なる考古学的な遺品に留まらず、弥生時代の人々の生活、文化、さらには交易についての理解を深めるための貴重な資料です。特に、出土された武器や装飾品は当時の人々の戦闘や社会的交流を反映していると考えられています。このように、立岩遺跡は日本の古代史や文化の研究において極めて重要な位置を占めていると評価されており、今後もさらなる研究が期待されています。

参考文献

• - 松木, 武彦『人はなぜ戦うのか-考古学から見た戦争-』講談社（2001年）
• - 岡崎, 敬 ら『立岩遺跡』飯塚市教育委員会（1977年）

このように立岩遺跡は、原始時代の生活様式や文化の理解を深めるための鍵を提供しており、地域の歴史的な遺産として、今後も重要視され続けていくことでしょう。

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