立憲養正會

立憲養正会について

立憲養正会（りっけんようせいかい）は、日本における元々の政党かつ国家主義を主軸とする右翼団体の一つである。この団体は1923年に創設され、主に日蓮の思想をもとに、日本の国体を重視する立場から政治活動を展開した。初代総裁には田中智學が就任し、彼の理念は「八紘一宇」に起源を持つ。「八紘一宇」とは、全世界を一つの家として統一するという考えで、特に日本における精神的な使命とされている。団体名の「養正」という言葉も、国を正しく保つことの重要性を訴えるものとされている。

歴史的背景

立憲養正会は、1923年11月3日に田中智學によって設立された。在家仏教団体である国柱会や明治会と近い関係を持ち、最初は社会運動としての色彩が濃かったが、後に明確な政治団体としての活動を始めた。特に1929年からは、田中智學の子息である田中澤二が総裁に就任し、選挙に候補者を擁立し始めた。

1936年の第19回総選挙では公認候補を7人擁立したものの、全員が落選したが、その中から田中耕が当選し、帝国議会で初めて議席を得ることとなった。翌1937年の第20回総選挙では、田中耕が再選し、団体は地方議会にも一定程度の影響力を持つようになった。

政治的活動とその終焉

立憲養正会の理念、特に日蓮主義や国体主義は、当時の政権における新体制運動とはいつも摩擦を生じていた。1940年に設立された大政翼賛会には加盟せず、これが影響を及ぼし、1942年に結社不許可処分を受け解散に追い込まれることとなった。その後の政治選挙でも、元会員たちが立候補するも全員落選した。これにより、立憲養正会は事実上の活動を停止した。

第二次世界大戦後、1946年に再建された立憲養正会は、当初は定職追放の影響を受けつつも、1947年の第23回総選挙で唯一の議席を獲得した。さらに、1949年の第24回総選挙でも当選者を出し、戦前・戦後の両方で議席を保有した経験を持つ数少ない団体となった。

現在の活動と理念

1955年に田中澤二が死去し、その後も会長職は何度か変わった。現在、立憲養正会は天皇に対する「主権奉還」を訴え、教育勅語の復活や日本国憲法の廃止を主張している。これらの意見は、日本国憲法が国民主権を基本にしていることから、対立する立場であると理解されている。

このような経緯を経て、立憲養正会は日本の政治史において特異な存在として残り続けている。

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