立石涼子

立石涼子：日本の舞台・映像界を彩った女優

立石涼子（たていし りょうこ、1951年12月4日 - 2020年8月2日）は、日本を代表する女優であり声優としても多岐にわたって活動した。彼女の本名は立石凉子であり、長崎県長崎市の出身だ。彼女のキャリアは、舞台、テレビドラマ、映画、さらには声優業と、実に多彩である。最終的にはシス・カンパニーに所属し、数々の名作に参加した。常に蜷川幸雄演出の舞台で重要な役割を果たし、日本の演劇界において欠かせない存在となった。

来歴

立石は長崎県立長崎南高等学校を卒業し、航空会社の客室乗務員として国際線の業務に従事していた。しかし、役者としての道を選ぶ決心をし、文学座附属演劇研究所に入所。その後、1974年に劇団雲の研究生として活動を開始した。劇団雲の分裂を経て1976年に演劇集団 円に移籍し、同団体で団員としてのキャリアを積んだ。1996年には文化庁海外研修制度によってロンドンに留学し、演技力をさらに磨いた。

彼女の舞台作品には、アーサー・ミラーの『欲望という名の電車』や、チェーホフの『三人姉妹』など、多数の名作が含まれている。また、蜷川幸雄演出の作品や劇団ナイロン100℃の舞台にも出演し、国内外でその才能を発揮した。立石の演技は幅広く高い評価を受け、2004年には『エレファント・バニッシュ』や『ビューティークィーン・オブ・リーナン』で第39回紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞した。

映像作品への参加

映像作品にも多く出演し、テレビドラマや映画で名脇役として活躍した。彼女は1975年からアニメや洋画の声優としても活動し、特に洋画の吹き替えで、多くの観客に親しまれていた。2012年に改名して立石涼子として活動を続け、2015年にはシス・カンパニーに所属した。彼女の特徴的な声は、視聴者に深い印象を与えた。

健康問題と晩年

立石は2019年の秋に肺がんと診断され、手術や投薬治療を受けながら舞台への出演を続けた。しかし、2020年には新型コロナウイルスの影響で公演が延期され、最終的には容体が悪化した。2020年8月に東京都内の病院で68歳で亡くなった。

立石の最後の舞台は、2019年の『罪と罰』であり、多くの未公開映画も彼女の遺した作品である。生涯独身だった彼女は、私生活では控えめであったが、舞台の上ではその才能を存分に発揮し、多くのファンに愛された。

特技と受賞歴

彼女の特技には、長崎弁と英会話が含まれており、これも持ち味を生かす場面で活かされた。また、立石涼子ワークショップを開催し、若手の指導にも力を入れ、多くの後進を育成した。彼女の影響は現在も演劇界に強く残っている。

立石涼子は、演技を通じて多くの人々に感動を与え続けた名女優である。

もう一度検索