立花大正民家園 旧小山家住宅

立花大正民家園 旧小山家住宅

東京都墨田区に位置する「立花大正民家園 旧小山家住宅」は、1917年に建築され、江戸時代の農家と町家の特徴を併せ持つ貴重な文化財です。この建物は、墨田区指定有形文化財に登録されており、敷地内には七福神の石像が配置された庭園があり、訪れる人々にとって魅力的なスポットとなっています。

沿革

旧小山家住宅は、1917年に小山市五郎によって建てられました。原本は茅葺の住宅であり、これを解体した上で新しく木造平家の家屋が建設されたものです。小山家は、かつては周辺地域の大地主であり、村の名主として知られていました。1911年以降は町政に移行し、周辺の土地を所有していた小山一五郎の役割は特に重要でした。
建物は、1923年の関東大震災や1945年の東京大空襲などの災害にも耐え、1998年まで家族が居住していました。1997年には早稲田大学からの調査が行われ、その後、家族から墨田区に寄贈されました。1999年に有形文化財として登録された後、同年に「墨田区立立花大正民家園」として一般公開が始まり、地域の農村文化を伝える施設として整備されました。

建築

「旧小山家住宅」は、間口14.7メートル、奥行8.35メートルで、特徴的には寄棟造りの木造平家です。建物の延べ床面積は113.22平方メートルです。当初の設計では茅葺き屋根でしたが、昭和10年代に瓦葺に改修されています。この建物は大正時代の様式を保持しており、部分的な改修が行われているとはいえ、当時の特徴が多く残っています。内部の間取りは農家の代表的な構造を持ち、土間があり、外観には伝統的な江戸町家のスタイルを感じることができます。

1968年に2階部分が増築され、現在ではその部分は管理人室として利用されています。また、住宅はレンタルスペースとしても利用可能で、公開スペースとして地域住民や観光客に広く親しまれています。石のフロアや引き戸など、細かい部分にも当時の意匠が生かされています。

庭園

住宅を含めた敷地面積は約1356.46平方メートルあり、広々とした庭園が設けられています。庭園は1957年に水害対策として地盤を50センチ上げる工事が行われ、水害への備えがなされています。庭には17種の常緑樹と3種の落葉樹があり、自然と調和した環境を形成しています。さらに、枯山水や七福神の像など、様々な要素が取り入れられており、一か所で七福神巡りができるこうした点でも注目されています。

利用案内

「立花大正民家園」はすみだ郷土文化資料館が管理を行い、庭園及び住宅内は無料で公開されています。しかし、住宅部分は有料レンタルスペースとしても利用され、見学者に配慮した範囲で貸出が行われています。東京メトロ東武亀戸線の東あずま駅から徒歩約9分の位置にあり、アクセスも良好です。

まとめ

立花大正民家園 旧小山家住宅は、その歴史的背景や文化的価値から、東京都内でも注目される文化財の一つです。江戸時代の農家と町家の特色を併せ持つこの住宅は、地域文化を体験する貴重な場所です。訪れることで、当時の生活や文化に触れることができるでしょう。

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