立花峯均

立花峯均の生涯と業績

立花峯均（たちばな みねひら）は、1671年に福岡で誕生し、1746年にこの世を去った江戸中期の茶人兼兵法家です。彼の名は、茶道の南坊流に通じ、また宮本武蔵の系譜に連なる筑前二天流の伝承者として知られています。初名を久太郎とし、その後専太夫と称しましたが、彼は峯均という名でも知られています。さらに、「丹治峯均入道廓巖翁」という名義も残されています。

育ちと初期の茶道の修業

峯均は、福岡藩主黒田家の家老・立花重種の四男として生まれ、若いころから文化人の家系に育ちました。彼は19歳で黒田綱政のもとに仕官し、次兄である重根（実山）の影響を受け、茶道に触れる機会を得ました。特に、彼の兄は茶書『南方録』の発掘と編纂を手がけており、峯均自身もその高弟として名を馳せるようになりました。

21歳の時、彼は宮本武蔵の流れを汲む筑前二天流の第4代目、吉田実連に入門。この流派で十数年の厳しい修行を経て、33歳の誕生日に一流相伝を受けるまでに成長しました。この際、実連が老病のため、師匠である柴任美矩から播州明石での審査を受ける必要がありました。

人生の転機と流罪

峯均の人生は、38歳にして大きな転機を迎えます。兄の実山が逮捕され、連座して玄界灘の孤島・大蛇島に流罪にされました。しかし、彼は45歳の時、ようやく赦免されて福岡に戻りますが、家の長としての自由は許されず、父の名の下で監視されながら過ごすことになります。この時期に、彼は実山が遺した『南方録』に対して「追加」と「秘伝」の2巻を編纂し、著作を増補しました。

兵法伝授と晩年

52歳の時、筑前二天流の第5代目として、立花勇勝や立花種章（増寿）、桐山丹英といった弟子たちに兵法を教授します。そして57歳の時には、宮本武蔵にまつわる伝記『兵法大祖武州玄信公伝来』を完成させ、さらにその附録に寺尾孫之允信正や柴任三左衛門美矩といった先人たちの略伝を追加しました。この文書は後に『丹治峯均筆記』として広く知られることになります。

晩年、峯均は半間庵に隠棲し、丹治峯均入道廓巖と名乗って静かな生活を送りました。1745年12月19日に75歳で他界し、享年は75歳でした。彼の法名は無華斎廓巖宗朴居士であり、博多の東林寺に埋葬されています。彼の命日が宮本武蔵の没後100年の月命日とも重なっている点にも注目が集まります。

峯均は一女をもうけましたが、残念ながら結婚後の初産で命を落としてしまい、彼に男子がいなかったため家系は断絶しました。彼の遺伝子は直接の子孫には残りませんでしたが、その業績は後世に多くの影響を及ぼすことになりました。彼の記録と研究の資料は、今もなお茶道や武道の研究に重要な役割を果たしています。

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