立蔵寺

立蔵寺（りゅうぞうじ）は、岐阜県関市西日吉町に位置する曹洞宗の寺院です。本尊は聖観音菩薩で、山号を玉樹山と称します。

歴史

立蔵寺の始まりは、宝永2年（1705年）に、龍泰寺の23世住職であった古谷如神が、関市倉知にあった龍蔵庵を現在地に移し、「宝樹山 龍蔵寺」としたことに遡ります。その後、嘉永3年（1850年）に龍泰寺36世の弘道辨玉によって、山号が玉樹山に、寺号が立蔵寺に改められました。

本尊の聖観音菩薩は、元々高山寺という寺に安置されていたと伝えられています。ある戦の際、高山寺で時を告げる鐘が鳴らされたところ、戦に敗れた土岐頼芸が、時を打つ行為を「土岐を討つ」と解釈し、難癖をつけて高山寺に火を放ったとされています。高山寺は焼失しましたが、本尊の聖観音菩薩は焼け残った灰の中から出現したという伝説が残っています。

特徴

境内には、川崎弘法大師を勧請して祀っており、中濃八十八ヶ所霊場の八番札所となっています。また、刀匠として知られる善定兼吉の墓があることでも有名です。本堂は老朽化のため、昭和54年（1979年）に再建されました。

立蔵寺は、その歴史的な背景と、地域における信仰の中心としての役割を担っています。また、刀匠の墓があることや、観音霊場としての側面も持ち合わせ、多くの人々にとって重要な場所となっています。

参考資料

* 『美濃西国三十三所観音巡礼』美濃西国三十三観音霊場会編 p.172-p.174 朱鷺書房 1999年

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