竜崇正

竜 崇正（りゅう むねまさ）

日本の医師。1943年生まれ。消化器外科医として長年活躍し、特にがん医療分野で重要な役割を果たした。千葉県がんセンター長や国立がんセンター東病院外科部長などを歴任した。

経歴

1943年11月1日に誕生。千葉大学医学部を1968年に卒業後、1971年4月より同大学医学部第二外科でのキャリアを開始した。その後、1976年から1978年までの3年間、千葉県内の一般病院で実践的な外科医として集中的な臨床経験を積んだ。1978年10月には千葉大学医学部に戻り、助手として肝胆膵外科の研究に従事した。

1986年4月、千葉県がんセンター消化器外科の主任医長に就任。がん専門医療の現場で経験を重ねた。1992年には国立がんセンター東病院の外科部長に転じ、さらに幅広いがん治療に携わった。1999年には千葉県立佐原病院の院長として、地域医療の中核を担う病院運営に貢献した。

2005年、千葉県がんセンター長に就任。県のがん医療政策において指導的な立場を担った。センター長退任後の2009年には、政策シンクタンクである「医療構想・千葉」を設立し、その発起人代表となった。同年にはおゆみの診療所の院長も務めた。2010年にはNPO法人医療・福祉ネットワーク千葉の理事長、2011年には浦安ふじみクリニックの院長に就任するなど、多方面で活動を展開した。

医療への取り組み

竜氏は一貫して患者が主体的に医療に関わる「患者参加型医療」の推進を重視した。その理念に基づき、医療情報の透明性を高めるためのカルテ開示や情報共有、そして患者同士が経験を分かち合い支え合うピアカウンセラー制度の導入などに積極的に取り組んだ。

人物

大学時代の紛争期には、様々な病院での研修を通じて、大学医局における医療の質を再評価する経験を持った。この期間には、ヨーロッパアルプスへの登攀を行うなど、学術分野以外にも活動的な一面があった。

ノンフィクション作家である柳原和子氏とは深い親交があり、その主治医の一人を務めた時期もあった。また、大学時代の友人の紹介で患者支援グループ「α」に参加。医療者と患者が共にがん治療のあり方を考えることの重要性を強く認識し、実践に結びつけた。

著書

主な著書に、共著として『がん告知 患者の尊厳と医師の義務』（医学書院、2001年）、『がんの時代を生き抜く10の戦術！』（三省堂、2006年）がある。単著として『臨床に役立つ消化器立体画像のつくりかた』（医学図書出版、2005年）を出版。また、『がん診療ハンドブック』（永井書店、2008年）の監修も手掛けている。

外部リンク

竜崇正(りゅうむねまさ）の主張
千葉県がんセンター
医療構想・千葉
医療・福祉ネットワーク千葉
* 浦安ふじみクリニック

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