童貞放浪記

童貞放浪記

概要

『童貞放浪記』は、小谷野敦による私小説を基にした小説作品です。2007年に『文學界』で発表され、2008年には書き下ろし2編を加えて幻冬舎から刊行されました。2009年には小沼雄一監督によって映画化され、後に幻冬舎文庫からも出版されました。この作品は、著者の実体験をベースにしており、主人公の男性が童貞を卒業するまでの過程を赤裸々に描いています。

あらすじ

T大学大学院出身の金井淳は、関西の大学で講師を務めています。30歳にして童貞である彼は、ある日、先輩から酒の席で激しく叱責され、その不安から風俗店やストリップ劇場へ通うようになります。そんな中、学会で大学院の後輩である北島萌と再会し、意気投合します。様々な出来事を経て、最終的に二人は関係を持つことになります。

映画版

2009年に映画化された『童貞放浪記』は、R-15指定で公開されました。原作の持つ独特な世界観を、山本浩司、神楽坂恵ら実力派キャストによって映像化されています。

キャスト

金井淳: 山本浩司
T大学大学院卒の文学講師。頭脳明晰だが運動音痴で、女性にモテないことを自覚している。内向的で生真面目な性格であり、講義では流暢に話すが、私生活では口下手。性行為や性風俗に関する知識は乏しい。
北島萌: 神楽坂恵
金井の大学院の後輩。サバサバした性格で、屈託のない笑顔が印象的。過去に恋愛経験があり、金井に自身の恋愛遍歴を語る。学会での再会をきっかけに金井と親密になる。
山口: 堀部圭亮
金井の先輩職員。酒癖が悪く、金井に厳しく当たる。威圧的な性格。
黒瀬: 古舘寛治
金井の上司。相談に乗るものの、おちゃらけた性格で風俗通いを面白がる。
朝原: 内田慈
金井の同僚。金井の恋愛相談に乗り、励ます。
本村: 松井周
金井の同僚。酒癖の悪い山口の言動を気にしないよう金井に助言する。
犀藤: 志賀廣太郎
金井の上司。山口をたしなめる。
千田: 綾田俊樹
金井の上司。
外国人講師: セイン・カミュ
金井の同僚。日本語は不得意。セイン・カミュの実子も出演。
ヘルス嬢: 結城リナ
金井にとって初めての風俗体験の相手。性や風俗に無知な金井に手ほどきをする。
ミキ: AYA
ストリッパー。劇中冒頭でステージを披露。
アミ: 黄金咲ちひろ
ストリッパー。観客に胸を触らせるサービスを行う。
ローザ: 冴島奈緒
ストリッパー。金井の頼みを聞き、一肌脱ぐ。
小部屋の女性: 速水今日子
ストリップ劇場内の個室で手淫サービスを行う女性。金井と親しくなる。
淳の母: 木野花
実家で暮らす金井の母。息子の結婚を心配している。
金井の知人: 奥田崇
金井と萌の大学院時代の知り合い。懇親会で教授への酌を勧める。
小部屋の受付係: 吉行由実
ストリップ劇場内の個室の受付担当。
ストリップ劇場の客: 岡村洋一
ローザの相手をかけてジャンケンをする。
ファッションヘルスの受付係: 地獄谷三番地
来店した金井に「御指名」を尋ねるが、金井は自分の名前を答える。
居酒屋の店員: 藤原美穂
歓迎会の会場の店員。
その他: 笠兼三、けーすけ

スタッフ

監督: 小沼雄一
製作: 清宮武雄、徳永裕明
プロデューサー: 石垣直哉
脚本: 石垣直哉、足立紳
脚色: 前田司郎
撮影: 小松原茂
美術: 細谷恵子、鈴木隆之
衣裳: 宮本まさ江
編集: 前嶌健治
音楽: micromicrophone
音響効果・サウンドプロデューサー: 小野川浩幸
照明: 松岡泰彦
録音: 小野川浩幸、小滝みつる
助監督: 家次勲

脚注

[外部リンク]
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