竹 (樅型駆逐艦)

大日本帝国海軍駆逐艦『竹 (初代)』

「竹」は、大日本帝国海軍が保有した樅型駆逐艦の6番艦です。同名の艦艇として松型駆逐艦「竹」が存在するため、「竹 (初代)」や「竹I」といった表記も用いられます。本稿では、初代「竹」の艦歴について詳述します。

艦歴

「竹」は1918年（大正7年）12月2日、神戸川崎造船所で建造が開始されました。翌1919年（大正8年）8月26日午前7時30分に進水し、同年12月25日に竣工を迎えました。その後、長きに渡り大日本帝国海軍に所属し、様々な任務に従事しました。

1940年（昭和15年）2月1日、除籍されました。除籍後は舞鶴海兵団の練習船として活用され、1944年（昭和19年）2月10日には雑役船に編入され、海軍機関学校の練習船としての役割を担いました。

終戦後、その艦体は秋田県秋田港北防波堤の一部として利用されることとなります。具体的には、鵜来型海防艦「伊唐」と橘型駆逐艦「栃」（終戦時は未成）と共に、軍艦防波堤として供されました。しかし、1975年（昭和50年）に秋田港の拡張工事が行われることとなり、旧北防波堤は撤去され、「竹」「伊唐」「栃」の船体も共に撤去されました。長い歳月を経て、その存在は歴史の中に消え去りました。

艦長と要員

「竹」の艦長、および艤装員長を務めた人物は以下の通りです。これらの情報は『日本海軍史』第9巻・第10巻の「将官履歴」及び『官報』に基づいています。

艤装員長

染河啓三 少佐：1919年8月5日 - 12月4日
（兼）染河啓三 少佐：1919年12月4日 -

駆逐艦長

染河啓三 少佐：1919年12月4日 - 1920年12月1日
石川哲四郎 少佐：1920年12月1日 - 1921年12月1日
小沢治三郎 少佐：1921年12月1日 - 1922年12月1日
小橋義亮 少佐：1922年12月1日 - 1923年6月15日
石戸勇三 少佐：1923年6月15日 - 1924年12月1日
長谷部喜蔵 大尉：1924年12月1日 - 1926年8月1日
樋口通達 少佐：1926年8月1日 - 1927年12月1日
福沢常吉 少佐：1927年12月1日 - 1929年11月30日
（兼）松田尊睦 大尉：1929年11月30日 - 1930年11月1日
吉村真武 少佐：1930年11月1日 - 1933年4月1日

これらの艦長、艤装員長たちは、それぞれの時代に「竹」の運用、整備、乗員の指揮などに尽力しました。彼らの功績は、海軍史の中に刻まれています。

参考文献

海軍省 編『海軍制度沿革 巻十の1』 明治百年史叢書 第182巻、原書房、1972年4月（原著1940年）
海軍省 編『海軍制度沿革 巻十一の2』 明治百年史叢書 第185巻、原書房、1972年5月（原著1941年）
海軍歴史保存会『日本海軍史』第7巻、第9巻、第10巻、第一法規出版、1995年
片桐大自『聯合艦隊銘銘伝』光人社、1993年
片桐大自『聯合艦隊軍艦銘銘伝』普及版、光人社、2003年
『日本駆逐艦史』 世界の艦船 1992年7月号増刊 第453集(増刊第34集)、海人社、1992年
日本舶用機関史編集委員会/編『帝国海軍機関史』 明治百年史叢書 第245巻、原書房、1975年11月
福井静夫『写真 日本海軍全艦艇史』ベストセラーズ、1994年
「二等駆逐艦及水雷艇 一般計画要領書 附現状調査」
アジア歴史資料センター(公式)(防衛省防衛研究所)
『大正8年 公文備考 巻18 艦船1/駆逐艦竹梨製造一件』
『大正8年 公文備考 巻20 艦船3/進水』

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