竹中村

大分県旧竹中村：大野川沿いの歴史と変遷

大分県大分市に位置する竹中村は、かつて大分郡に存在した村です。大野川の左岸に広がり、豊かな自然に恵まれた地域でした。村内には、花籠川が流れ、天面山がそびえ立つなど、変化に富んだ地形が特徴的です。

明治時代の村の成立と合併

竹中村の歴史は、明治22年（1889年）にさかのぼります。町村制の施行に伴い、それまで存在した竹中村と端登村が合併し、新たな竹中村が誕生しました。この合併により、村は竹中と端登の2つの大字から構成されることとなりました。その後、明治40年（1907年）には、隣接する河原内村と合併し、村域を拡大しました。

昭和時代の合併と消滅

昭和29年（1954年）3月31日、竹中村は、戸次町、判田村、吉野村と合併して大南町となり、その歴史に幕を閉じました。それまでの歴史を刻んだ竹中村は、大分市の一部として現在もその名残をとどめています。

産業と交通

竹中村の主要産業は農業でした。大野川流域の肥沃な土地を生かし、人々は農業を営んで生活を支えていました。

交通面では、大正5年（1916年）9月1日に犬飼軽便鉄道（現在の豊肥本線）が開通し、竹中駅が開設されたことが大きな転換点となりました。翌年の大正6年（1917年）7月20日には、犬飼駅から竹中駅まで全線が開通、地域住民の移動手段が大きく改善されました。鉄道の開通は、地域の経済発展にも大きく貢献したと考えられます。

まとめ

竹中村は、明治から昭和にかけて、合併を繰り返しながら歴史を刻んできた村です。大野川沿いの豊かな自然と、鉄道開通による交通網の発達、そして農業を中心とした産業構造は、当時の地域社会の姿を反映しています。現在の豊肥本線は、かつての竹中村の生活と発展を支えていた歴史の証人と言えるでしょう。その歴史と変遷をたどることで、現代の大分市の成り立ちを深く理解することができるでしょう。

参考文献

角川日本地名大辞典 44 大分県
『市町村名変遷辞典』東京堂出版、1990年

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