竹内けん

竹内けん：ハーレムファンタジーの旗手

竹内けんは、日本の小説家（活動分野はジュブナイルポルノ及び官能小説）。ペンネームである。本名や生年月日などのプライベート情報はほとんど公開されていない。しかし、著作である『竹内けんハーレムシリーズ公式ガイドブック』のあとがきから、年齢は30代後半から40代前半と推察される。また、自身のサイトで「東北の港町」に居住していることを明かしている。

作品の特徴

2000年に『黄金竜を従えた王国』でデビュー。その作品群の多くは、「神聖帝国興隆記シリーズ」（通称「ハーレムシリーズ」）に属し、同一の世界観を共有している。竹内けんが作品を発表している二次元ドリーム文庫自体がいわゆる「ハーレムもの」を主流としているため、レーベル全体としてハーレム系の作品が多い。

歴史小説、特に戦国時代や三国志を題材とした作品を愛好しており、NHK大河ドラマは欠かさず視聴しているという。その影響は、「神聖帝国興隆記シリーズ」にも色濃く反映されており、架空戦記・架空歴史小説としての側面も強く打ち出されている。

作品に最も影響を与えたのは『銀河英雄伝説』であり、官能小説家としては睦月影郎を敬愛している。また、ライトノベル作家としては神坂一を好んでいる。

架空戦記だけでなく、水野藤十郎を主人公とした「戦国艶武伝」（全4巻）のような現実の歴史を題材とした作品も手掛けている。「戦国艶武伝」もハーヴェスト出版からジュブナイルポルノとして出版されており、各章に濡れ場が挿入されているものの、内容は史実に忠実である。史料が不足する場合は現地取材も行っており、竹内自身も「この業界（ジュブナイルポルノ業界）で取材旅行というのは、たぶん、異例であろう」と語っている。

神聖帝国興隆記シリーズ

二次元ドリーム文庫から出版されている竹内けんの代表作であり、剣と魔法のファンタジー世界を舞台としている。シリーズの中でも「ハーレムキャッスル」は特に人気が高く、小説版は4作目まで刊行され、キルタイムコミュニケーション発行のアダルトマンガ雑誌「メガミクライシス」では外伝の漫画版も連載されていた。

このシリーズ作品は、「ハーレムキャッスル」や「ハーレムパイレーツ」など、タイトルに「ハーレム」と付くものが多いため、「ハーレムシリーズ」とも呼ばれている。公式サイトでは「神聖帝国興隆記」が正式名称とされているが、内容をより正確に示す「ハーレム・シリーズ」として紹介されることが多い。ただし、二次元ドリーム文庫以外のレーベルからは、『黄金竜を従えた王国』や『ふたりの剣舞』など、「ハーレム」の文字を含まない作品も存在する。

シリーズの特徴として、同一の世界を舞台としながらも、主人公たちの活躍する時代や場所が異なる点が挙げられる。そのため、どの作品から読んでも楽しめる構成となっている。ある作品の主人公が別の作品では脇役として登場したり、ある作品が別の作品の後日談となっていたりするなど、世界観の繋がりが緻密に描かれている。

作品の発表順と時系列が必ずしも一致しない点も特徴的である。例えば、「ハーレムパイレーツ」や「ハーレムパラディン」に登場するエトルリア王国の第4王子リカルドは、「ハーレムクライシス」と同時期にクーデターを成功させ、「ハーレムシャドウ」ではエトルリア王国の国王として登場する。

主人公やヒロインの親族が、別の作品で主人公やヒロイン、あるいは脇役として登場することもある。例えば、ラルフィント王国を舞台とする「ハーレムエンゲージ」の主人公バージゼルとヒロインの1人オーフェンの息子ケーニアスは、後日談である「ハーレムウィザードアカデミー」で主人公を務め、さらに後日談の「ハーレムプリズナー」ではケーニアスの異母姉ネメシスがヒロインの1人として登場する。また、ドモス王国の侵攻を受けたインフェルミナ王国を舞台とする「ハーレムクライシス」の後半で、主人公アリオーンが祖国奪還を宣言する場面を、「ハーレムデスティニー」の前半で主人公ライラックが目の当たりにする場面がある。

参考文献

『竹内けんハーレムシリーズ公式ガイドブック』（二次元ドリーム文庫編集部著・編集／竹内けん監修、キルタイムコミュニケーション、2010年）ISBN 978-4860329945

外部リンク

ハーレムシリーズ・ワールドガイド
* 竹内けんの後宮

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