キルタイムコミュニケーション

株式会社キルタイムコミュニケーション：多様な出版活動とゲーム開発の歴史

株式会社キルタイムコミュニケーション（KTC）は、東京都中央区に拠点を置く出版社です。1995年11月30日、株式会社マイクロハウスの編集プロダクション部門として設立されました。当初はグループ会社のマイクロマガジン社の編集制作を担っていましたが、その後、自社レーベルによる雑誌や書籍の出版、さらにはゲームソフトの企画開発へと事業を拡大していきました。

出版事業の変遷：PCからアダルトコンテンツへ

KTCは設立当初、自作パソコンユーザー向けの雑誌『PC-DIY』(1997年-2004年)や、中古ゲームソフト専門誌『ユーズド・ゲームズ』(1997年-2002年)、『ナイズゲームズ』(1998年-2002年)、そして両誌を統合した『ユーゲー』(2002年-2006年)などを発行。 さらに、初期の2ちゃんねるログを収録した書籍や、通信販売商品のレビューを掲載した書籍シリーズなども展開しました。これらの出版物は、後にマイクロマガジン社へ版元が移行しています。

その後、KTCの出版物はゲームやパソコン関連から、アダルトコンテンツ中心へと大きく変化しました。この転換期には、マイクロマガジン社が『キャッシュフロー101』の日本語版版権を取得したことが影響していると考えられています。 キャッシュフローゲーム関連の事業リスクを軽減するために、KTCをグループ内におけるアダルトコンテンツ部門とする戦略が採られた可能性があり、その関係性をあえて目立たせないようにしたと推測されます。2016年時点でのKTCのベストセラーは「ポケットモンスターを遊びつくす本 (赤)」です。

多様なレーベルと刊行物

KTCは、現在、幅広いジャンルの出版物を手掛けています。

雑誌:
コミックアンリアル
二次元ドリームマガジン
コミックヴァルキリーWeb版
コミックシャイニー

小説:
二次元ドリームノベルズ
二次元ドリーム文庫
リアルドリーム文庫
ビギニングノベルズ
* ショコラシュクレノベルズ

漫画:
KTCは多数の漫画レーベルを擁し、青年漫画から成人向け漫画まで、女性向け作品やボーイズラブ作品など多様なジャンルの作品を出版しています。代表的なレーベルには、ヴァルキリーコミックス、二次元ドリームコミックス、アンリアルコミックス、ヤングアンリアルコミックス、ブリーゼコミックス、ショコラシュクレコミックス、スリーズロゼコミックス、ブラックチェリーコミックスなどがあります。 過去には『コミックヴァルキリー』、『コミックプリズム』なども発行していました。

また、アンソロジーコミックシリーズも多数存在し、長年にわたり継続して刊行されているものもあります。

ゲーム事業：美少女ゲームブランドの展開

KTCは、美少女ゲームブランド「ミルフィーユ」を展開し、数々の作品をリリースしています。「魔法少女沙枝シリーズ」や、様々なテーマの作品が人気を博しています。さらに「すふれそふと」というレーベルも存在します。

電子書籍サイト

KTCは、自社運営の電子書籍およびグッズ販売サイト「KTC store」を運営しています。

まとめ

KTCは、設立以来、PC／ゲーム関連からアダルトコンテンツまで、多様なジャンルの出版物を手がけてきました。変化の激しい出版業界において、多様なレーベルと積極的な事業展開によって、現在も活動を続けています。 関連会社であるマイクロハウスやマイクロマガジン社との関係性も考慮すると、KTCの戦略は、グループ全体の事業ポートフォリオを多角化し、リスクを分散する効果も持っていたと考えられます。今後の展開にも注目が集まります。

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