竹屋 (味噌製造)

株式会社竹屋：信州の味噌蔵から届ける、変わらぬ味と伝統

1872年（明治5年）創業の株式会社竹屋は、長野県諏訪市に本社を置く老舗の味噌醸造メーカーです。一般的には「タケヤみそ」の愛称で親しまれており、キャッチコピーである『ひと味ちがいます。』と、ユニークなお椀をモチーフにしたマスコットキャラクター「おわんくん」は多くの人々に認知されています。2022年には創業150周年を迎え、地元信州の豊かな自然と伝統を守りながら、味噌造りへの情熱を脈々と受け継いでいます。

歴史と発展：諏訪から全国へ

明治時代初期の創業以来、竹屋は諏訪の地で味噌造りに励んできました。1930年（昭和5年）には、現在の諏訪市湖岸通りに本社工場を移転。その後、1970年（昭和45年）には松本市に松本工場を新設し、2工場体制を確立することで生産能力の増強を図り、全国への味噌供給体制を整えました。長きにわたる歴史の中で、同社は時代の変化に合わせて技術革新を行いながらも、伝統的な製法と品質へのこだわりを堅持し続けています。

昭和43年には、国民的女優である森光子さんをCMキャラクターに起用。「タケヤみその顔」として親しまれ、ブランドイメージの向上に大きく貢献しました。40年以上に渡る起用は、企業とタレントの信頼関係の深さを物語っています。

充実の施設：工場見学とタケヤ味噌会館

諏訪工場では、事前予約制ではありますが、工場見学を受け入れています。味噌の製造工程を見学することで、普段口にしている味噌がどのように作られているのかを肌で感じることができます。

また、諏訪工場敷地内には「タケヤ味噌会館」が併設されています。2001年に開館した同会館では、創業当時の味噌造りの様子を紹介する展示や、森光子さんの肖像画などの美術品、地元の美術サークルによる企画展なども開催されています。

会館内には、味噌を使った豚汁や、ごまたっぷりのごままそソフトクリームなどを味わえる喫茶コーナーも併設。お土産を購入できる物品販売コーナーも充実しており、工場見学と合わせて楽しむことができます。年中無休で営業しているため、多くの人が気軽に立ち寄ることができます。

商品と展開：多様なニーズに対応

タケヤみそは、幅広いニーズに対応するため、特醸みそ（レギュラータイプ）のほか、塩分控えめを好む顧客に向けた「塩ひかえめ」、「さらに塩ひかえめ」、「減塩みそ」など、塩分含有量のバリエーション豊かな商品を展開しています。

また、「名人のみそ」など、熟練の職人が丹精込めて造り上げたこだわりの商品も提供。伝統を守りながらも、現代人の健康志向にも配慮した商品ラインナップは、同社の柔軟な姿勢を示しています。

地域との連携：諏訪の文化と発展

タケヤみそは、諏訪湖間欠泉センターやサンリツ服部美術館といった近隣の観光施設と連携し、地域社会への貢献にも積極的に取り組んでいます。地元の他の味噌メーカーである喜多屋醸造店（岡谷市）、ひかり味噌（諏訪郡下諏訪町）、神州一味噌（本社：東京都渋谷区、創業：諏訪市）、山高味噌（茅野市）らと共に、信州の味噌文化を全国に発信し続けています。

今後の展望

創業150周年を迎えたタケヤみそは、これからも伝統を守りつつ、新たな挑戦を続けていくことでしょう。時代のニーズに応える商品開発や、地域社会との連携強化など、更なる発展が期待されます。公式ウェブサイト、Twitter、Instagram、YouTubeチャンネルなどで、最新情報を確認することができます。

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