竹崎順子

竹崎順子: 日本の教育者

竹崎順子（たけざき じゅんこ）は、日本の教育者として明治時代に活躍しました。彼女は1825年12月4日に肥後国上益城郡津森村で生まれ、のちに竹崎八十雄の祖母となりました。彼女の教育に対する情熱とその影響は、特に女性教育の分野において顕著でした。

幼少期と家族

竹崎順子は、惣庄屋である矢嶋直明の三女として誕生しました。彼女の家族は非常に優秀で、彼女の妹たちも重要な役割を果たしていました。特に、徳富久子は後に徳富蘇峰や徳冨蘆花の母親となり、また、横井つせ子は横井小楠の妻となるなど、彼女たちは「肥後の猛婦」や「四賢婦人」と称されるほどの影響力を持つ家族でした。

結婚と教育活動の始まり

1840年に、竹崎家の養子であった竹崎茶堂と結婚します。夫は酒造業に従事しましたが、その後の米相場の失敗により生活が厳しくなります。この状況を機に、竹崎は阿蘇郡西村布田で開墾を開始し、同時に竹崎塾を開いて手習いを教え始めました。教育への情熱はここから始まったのです。

熊本での教育への取り組み

1860年には夫の兄が開いた干拓地の経営に関わるため、玉名郡横島村へ移住します。1870年には夫の職務に伴って熊本に移住し、夫が経営する日新堂塾でも教鞭を執ります。ここでも順子は女子教育に尽力し、15人から16人の女子学生の指導にあたりました。しかし、1877年に夫が亡くなると、彼女は更なる教育活動を続ける必要がありました。

熊本女学校との関わり

1889年、竹崎順子は熊本女学校の初代舎監に就任します。これ以降、彼女は教育界での非常に重要な役割を果たします。1890年、校長が交代し順子も退職の危機に直面しましたが、順子を慕う生徒たちの退学が相次いだため、再度雇用されました。そして、1897年には校長に就任し、亡くなるまでの8年間にわたって学校の基盤を築く先駆者として活躍しました。

晩年と影響

竹崎順子は1887年にキリスト教の洗礼を受けるなど、晩年も多様な経験を重ねました。彼女の教育に対する情熱は、彼女の教育理念が後の世代の女性教育にも多大な影響を及ぼしました。彼女は熊本市竹崎公園に眠っています。彼女の人生の足跡は、教育者として、また女性の地位向上に貢献した一人として、今なお記憶されています。

親族の関係

竹崎順子は竹崎茶堂との間に二女をもうけましたが、長女は早世し、次女の節子には養子を迎えています。また、夫の兄・木下初太郎は玉名郡南関の惣庄屋を務め、製鉄業なども行っていました。彼の家族もまた、政治や教育の分野で顕著な業績を残しています。

参考文献

• - 『日本キリスト教歴史大事典』教文館、1988年
• - 高橋昌郎『明治のキリスト教』吉川弘文館、2003年
• - 徳富蘆花（健次郎）『竹崎順子』福永書店、1923年
• - 神崎清「竹崎順子（古き愛の教育者）」（『近世名婦傳』朝日新聞社、1940年）
• - 上村希美雄「野の母の記録―竹崎順子」（紀田順一郎編『明治の群像9　明治のおんな』三一書房、1969年）

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