竹崎八十雄

竹崎八十雄：信仰と教育に捧げた生涯

竹崎八十雄（たけざき やそお）は、1875年（明治8年）に熊本で生を受け、1950年（昭和25年）に生涯を閉じた、日本のキリスト教界と教育界に足跡を残した人物です。牧師として、また教育者として、激動の時代を生き抜き、人々に希望を与え続けました。

生い立ちと信仰への道

熊本で生まれた竹崎は、札幌農学校予科を経て、アメリカのスタンフォード大学で哲学を学びました。さらに、カリフォルニア州バークレー市の太平洋神学校で神学を修め、信仰を深めます。帰国後、海老名弾正の推薦により、札幌独立キリスト教会の牧師に就任し、教会の発展に貢献しました。

内村鑑三との出会いと別れ

1912年（明治45年）、内村鑑三が3度目の札幌伝道を行った際、竹崎は教友会を全国的な組織にすることを提案しました。しかし、内村や教友会のメンバーに拒否され、内村との間に意見の相違が生じました。その結果、1917年（大正6年）に札幌独立キリスト教会を辞任することとなります。

さらなる研鑽と教育への情熱

札幌独立キリスト教会を辞任後、竹崎は再び留学し、イエール大学で神学修士（S.T.M.）を取得します。帰国後の1920年（大正9年）には、同志社大学の宗教主任に就任し、学生たちの精神的な支えとなりました。1923年（大正12年）には、故郷である熊本に戻り、祖母である竹崎順子が創設した熊本女学校（現熊本フェイス学院高等学校）の校長に就任しました。校長として、学校の再建に尽力し、女子教育の発展に貢献しました。

晩年と遺産

1949年（昭和24年）2月、竹崎八十雄は熊本女学校の校長を引退し、名誉校長となりました。翌1950年（昭和25年）にその生涯を閉じましたが、彼の教育と信仰に対する情熱は、熊本フェイス学院高等学校の精神として今も息づいています。

竹崎八十雄は、激動の時代の中で、キリスト教の信仰と教育を通して社会に貢献した人物です。彼の生き方は、現代を生きる私たちに、希望と勇気を与えてくれます。

参考文献

『日本キリスト教歴史大事典』教文館、1988年
鈴木範久『内村鑑三』岩波書店、1983年

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