竹本越路太夫

竹本越路太夫について

竹本越路太夫は、江戸時代の後期から続く文楽義太夫節における重要な太夫の一人です。この名は、これまでに四代にわたって受け継がれ、それぞれの時代において重要な役割を果たしてきました。

初代 越路太夫

初代越路太夫（生年不詳 - 1848年）は、三味線の弾き手として起業し、当初は鶴澤勝鳳の名で知られていました。その後、竹本越路太夫に名を改め、文楽の太夫としての道を歩み始めました。彼の実子は、3代目の野澤吉兵衛であり、名家の継承が続いています。

二代目 越路太夫

二代目越路太夫（1836年 - 1917年）は、本名を二見金助と言い、幼名は吉太郎でした。彼は、六代目竹本春太夫を名乗った後、竹本摂津大掾を受領しました。この二代目も、竹本寿太夫の襲名を検討した時期もあり、文楽界での影響力を持っていました。

三代目 越路太夫

三代目越路太夫は、1865年生まれ、和泉国の堺市で生育しました。幼少期より女流の鶴澤由松や豊澤團七に師事し、二代目越路太夫のもとに入門して以降は竹本常子太夫として活躍しました。1889年には名前を竹本さの太夫に改名し、その後も何度か名前を変え、1903年には三代目越路太夫を襲名しました。彼の得意演目には「太十」や「勘助内」などがあります。

四代目 越路太夫

四代目越路太夫（1914年 - 2002年）は、本名を小出清とし、大阪府で生まれました。1934年に二代目豊竹古靱太夫に弟子入りし、その後様々な座に所属してキャリアを積みました。1941年に三代目豊竹つばめ太夫を経て、1966年には四代目越路太夫を襲名しました。彼は1971年に芸術選奨文部大臣賞を受賞し、その後も人間国宝に認定されるなど、文楽界での地位を固めました。また、彼の表現は非常に端正で、特に『菅原伝授手習鑑』や『心中天網島・河庄の段』などの世話物でも高く評価されました。

代表作と録音

越路太夫は多くの作品に出演し、その演技は大変評価されています。NHKからリリースされた『義太夫節の精華 竹本越路大夫』というカセットテープ版には『平家女護ヶ島』や『菅原伝授手習鑑』などの演目が収録されています。また、日本伝統文化振興財団が発売したCD『義太夫選集 竹本越路大夫』も、彼の名演を収めた貴重な資料として知られています。

まとめ

竹本越路太夫は、日本の伝統文化である文楽義太夫節にその足跡を刻んできた優れた太夫です。四代にわたる伝承は、彼の卓越した技術と深い理解によるものです。彼の名は、これからも多くの人々に語り継がれることでしょう。

もう一度検索