竹田津実

竹田津 実について

竹田津 実（たけたづ みのる）は1937年、大分県竹田津町に生まれた日本の随筆家・写真家・獣医師です。彼はその独特の視点を生かし、多くの著作を通じて動物たちの生態や人間との関わりを描いてきました。獣医師としての経歴を持ちながら、竹田津は特に野生動物、特にキタキツネに対する深い興味を持っており、その観察や保護活動に取り組んできました。

獣医師としてのキャリア

彼の少年時代の夢は動物園の園長になることでしたが、大学入学時にその目標が難しいことを知り、獣医学へと進むこととなります。岐阜大学農学部獣医学科を卒業後、1963年に北海道の斜里郡小清水町の家畜診療所で獣医師として働き始めました。この頃、業界では家畜の産業動物化が進み、彼はその現状に疑問を抱き始めます。そして、次第に野生動物の診療や保護活動にも関与するようになりました。

野生動物との関わり

竹田津は診療所での勤務と並行して、キタキツネなどの野生動物の観察、撮影、治療に取り組みます。自宅では負傷した哺乳類や鳥類のリハビリを行い、彼らが自然に帰れるよう努力しました。1991年には「物書きとして生きてゆきたい」という思いから診療所を退職し、作家活動に専念します。

彼の著作には、随筆、児童書、写真集があり、特にキタキツネに関する書籍は多く、彼の学びや体験が詰まったものばかりです。たとえば、初の著書『キタキツネ北辺の原野を駆ける』（平凡社）は、彼の情熱を表現した作品として知られています。また、1974年には高橋健との共著で映画『キタキツネ物語』の企画に参加し、動物愛護をテーマにした作品を世に送り出しました。

環境活動と受賞歴

竹田津は獣医師としての経験をもとに、土壌菌を使った畜産排水の浄化に取り組むとともに、北海道自然学研究会を組織しました。これにより、環境保護や動物愛護に対する意識の向上に貢献しています。また、彼はさまざまな賞を受賞しており、特に1977年にはレディ・ガスコイン賞を受賞しています。さらに、1997年に受賞した北の児童文化賞や、2008年の北海道文化賞、2010年には地域文化功労者として文部科学大臣から表彰を受ける等、その業績は評価されています。

近年の活動

近年では、ドキュメンタリー映画やテレビ番組にも積極的に関与し、動物の生態や話題を広める活動を続けています。特に2010年にはNHK BSで放送された『ワイルドライフ 動物カメラマン免許皆伝!』に出演し、動物カメラマンの技術を若い世代に伝えました。また、竹田津の作品は国内外で高い評価を受けており、彼の描く動物たちの物語は多くの人々に愛されています。

今もなお、彼は執筆と環境活動を通じ、動物たちの生態やその大切さを伝えるために奮闘しています。竹田津 実の活動は、単なる獣医師や作家にとどまらず、自然と人との共生を願う彼の情熱が表れたものとなっているのです。

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