第7回極東選手権競技大会

第7回極東選手権競技大会の詳細

1925年5月、米領フィリピンのマニラで開催された第7回極東選手権競技大会は、3か国が参加し、5日間にわたる日程のもと、8つの競技が行われました。特に注目されたのは、開催国であるフィリピンが総合優勝に輝いたことです。

大会には中華民国、大日本帝国（日本）、および米領フィリピンが参加し、総勢140人の選手が日本から出場しました。陸上競技では、審判の不正行為が続出し、日本選手団が一時的に総退場するという前代未聞の出来事が発生しました。一方、サッカーでは中華民国が6大会連続の王者に輝き、競泳はフィリピン大学の25mプールで行われ、スターターがゆったりとタバコをくわえながら号砲を鳴らすという独特の運営が見られました。

参加国と競技

大会に参加した国々は次の通りです。

• - 中華民国
• - 大日本帝国（陸上競技に7競技140人が出場）
• - 米領フィリピン

実施された主な競技には、陸上競技、サッカー、競泳があります。陸上競技では、日本選手が強力なパフォーマンスを見せ、フィリピン選手との競争が繰り広げられました。

主なメダリスト

大会中の活躍を受け、いくつかのメダリストが生まれました。

• - 金メダル

- 縄田尚門（陸上男子1500m、極東新記録）
- 織田幹雄（陸上男子三段跳）
- 野寄金次郎（競泳男子1500m自由形）
- レジノ・ビルトゥルフォ（陸上男子円盤投）
- フォルトゥナト・カタロン（陸上男子100m）
- 大日本帝国（陸上男子4×400mリレー）
- 中華民国（サッカー）

• - 銀メダル

- 佐藤秀三郎（陸上男子1500m）
- 南部忠平（陸上男子走高跳、三段跳）
- デイヴィッド・ネポムセノ（陸上男子100m）
- フィリピン諸島（陸上男子4×400mリレー）

• - 銅メダル

- 米田隆治（陸上男子1500m）
- 小林武夫（陸上男子三段跳）
- 谷三三五（陸上男子100m）
- 南部忠平（陸上男子走幅跳）

審判の不正と日本選手団の総退場

大会の運営はフィリピンの審判によって行われ、日本選手団の不満は大会開始前から高まっていました。特に、円盤投や走高跳における不正行為が明らかになり、選手団の怒りが募りました。5月17日、陸上競技の初日に沖田芳夫の記録が不正に改ざんされ、南部忠平も不利益を被りました。これを受けて、事態は悪化し、ついには選手団は棄権を宣言することになります。

日本選手団が棄権をする場面は、多くの人々に衝撃を与えました。この時、監督の岡部平太は、日本選手団の意見をまとめて総退場を決定しました。競技場は静まり返り、日の丸を先頭に選手たちは宿舎へと退場する姿が印象的でした。

体協と選手の対立

この行動に対し、大日本体育協会の岸清一会長は選手を厳しく非難し、彼らの行動が国際スポーツマンの本義に反するとして、特に強硬だった選手を除名処分にしました。こうした高圧的な対応に対し、選手たちは反発し、53人の代表選手が団結して「53人会」を結成するに至ります。

後に、南部忠平は自らの自伝の中で、当時の出来事を振り返り、ショックを受けた経験が、後の懐かしい思い出となったことを語っています。この大会は、日本のスポーツ団体にとって重要な転換点であり、以降の組織改革につながる出来事となりました。

以上が、第7回極東選手権競技大会の概要です。

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